十四松ｇｉｒｌの私がトリップしてしまった。【十四松】

六 ページ8

「……あの、あのっ…すみません、あのっ」
「んあ？あ、ごめん……」


おそ松兄さんに退いていただくよう主張を続けていると、やっとおどきになられた。


「大丈夫〜？持つよ？」
「居候させていただいている身なのでっ！」



それでもさぁ、と苦笑いを浮かべる。
いや、わかるけど。




洗濯物を取り込んできたのだが、多すぎて前が見えない。流石というか何というか。
かろうじて横から見たりしてものにはぶつかっていないが、いつコケるかしれない。



「……居間、って……どこらへんですかね」
「引き返して三歩くらい……？」



おぉう……通り越していたか。




お恥ずかしい限りで、と洗濯物を持ち直して居間に向かおうと振り返ると、急に腕が軽くなる。


…………ついに落としたか！？



「持つって〜」
「っ、おそ松兄さっ！？」


笑いながら居間に行くおそ松兄さんの背中について行くと、そこには求人雑誌を読んでいるチョロちゃんが。
え、何それ、と雑誌を閉じたチョロちゃんは、洗濯をたたむのを手伝ってくれるようだ。



おそ松兄さんは横でアレな本を読んでいる。



私いるけど御構い無しなのね…。
そこも素敵っ！←



「Aー、お兄ちゃん構ってー」
「えっ、あ、あの、畳むの終わってからなら…」
「今ー」
「お前も手伝えよ！クソ長男！！」


チョロちゃんの容赦ない蹴りがお腹にヒットしてしまい、しばらく床でのたうち回っていたおそ松兄さん。
一旦停止したかと思うと、のそっと起き上がって私の横に座って畳む作業を眺めてくる。

……見られてると緊張するなぁ…。


「あ、あの…」
「これ早く終わったら、構ってくれる？」
「？そうですね、喜んで構わせていただきます」



そう言うと、腕まくりをして凄いスピードで畳始める。

呆気にとられて見ていると、もう終わってしまった。


……はえぇ…。



「終わったー！お兄ちゃんのこと構ってー！！」
「んぐぅ……」



やばいおそ松兄さん可愛すぎ。

クズのくせに可愛い。破壊兵器。



鼻血止まんねぇ……。


「はい」
「ありがとうございます……」



チョロちゃんにティッシュを差し出してもらい、おそ松兄さんに向かい合う。
ワクワクしているんだが…。



これでも成人男性！？


「あ、もうすぐ夕飯の時間だね」
「えー！？A構ってくれねぇのぉ！？」
「あ、あとで、あとで溶けるくらい構い倒します！！」

七→←五

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