第１２頁目【宮谷】 ページ13
保健委員の集まりの終わり、鞄を取りに自分の教室へ向かっていると少し前を歩く小さな背中が目に入る。
「あっA先輩！」
「えーっと…宮谷くん？」
「お、覚えてくれたんですね。今からトド松の教室ですよね？一緒に行きましょう」
俺を思い出したのか、ニコリと笑みを浮かべたA先輩の隣に並んだ。
昼間にトド松と一緒に帰るって言ってたし。
俺の隣を歩くA先輩の、肩辺りにある顔を見つめる。長い睫毛が夕日に光ってキラキラと煌く。
気まずくないように声をかけたと思われてるんだろうけど、そうじゃない。
俺がA先輩と話したいから。
「どうしたの？」
「幼馴染、から…恋、とか。始まると思います？」
「…悩み事？」
宮谷くん幼馴染の人のこと好きなのかな、なんて思ってそうな顔。
俺じゃないんだけどなー…。
頭を掻いて俺じゃないんすけど、と言っておく。
そうだなー…人によると思うけど…と言いながらA先輩は笑った。
「十分あり得る話だと思うよ？」
「あ、そう、ですか…」
「宮谷くんの幼馴染の人？」
「あ、いえ、俺の幼馴染は男で…おそ松と仲良い、金原ってやつなんですけど」
金原くん、と呟いたA先輩は少し考えるようなそぶりを見せる。
おそ松と話すたびに話に入ってくる結構チャラ目のやつだけど、覚えてるかな。
あぁ、あの子か、と聞こえたので、人を覚えるのが得意らしい。
「面白い子だよね」
「そうすか？言っときます」
「ふふ、でも金原くん私のこと覚えてるかなぁ」
絶対覚えてますよ！！と強めに言うと、だといいけど、と少し笑う。
あいつは絶対覚えてる。面食いな上にA先輩の顔がどタイプだろうから。
「あ、もう着いちゃったね。話し相手になってくれてありがとう」
そう言うA先輩は初めて俺をジッと見る。
その綺麗な目に吸い込まれそうになって、俺はすぐに目を逸らした。
この人にだけは恋しちゃいけない、そんな気がする。
俺が、話したかったから話しかけたんだろうけど…。
「トド松お待たせー」
「あ、A姉さ……宮谷？」
「よっ！途中で
偶然であることを強調して言うと、トド松はA先輩に目を戻して帰ろうか、と言った。
……仕方ねーから、あれ言っといてやろう。
「トド松！」
「何？」
「お前、チャンスあるぞ！」
そう言うと、トド松は少しキョトンとした顔を見せた後渡すわけないじゃん、と言った。
そしてピシャリと扉を閉じる。
俺は1人、教室に取り残された。
「…こえー顔」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 180人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「愛され」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
松々先輩(プロフ) - なのもちさん» ありがとうございます！私の夢主の中ではあまり見ないネガティブ思考の子なので難しいのですが頑張ります！ (2020年8月22日 11時) (
レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
なのもち(プロフ) - 続きが早くみたいなぁーなんて。いまさっきからみはじめました。ドハマリしてます！ (2020年8月13日 22時) (レス) id: b3104d6996 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - Rain☆さん» ありがとうございます！！更新頑張りますね！ (2020年5月14日 14時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
Rain☆ - 好きっ！！こういうの！！ (2020年5月13日 23時) (レス) id: 3af4d419c0 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 優凛~yurin~�擦気�» ありがとうございます！！更新頑張ります！ (2019年10月17日 20時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
