カラッポ【カラ松】

Eight episodes ページ10

「……痛い…」

腕にできた傷を眺める。また、殴られた

やめてよ、って言えないのは私が弱いから…


「……お風呂、入ろ…」

誰に、と言わずに呟く
そうじゃないと泣いてしまうから

プルルルル…

「え？」
誰？と思いスマホを手に取ると、馬鹿と文字が目に入る

おそ松ではない。カラ松だ
相当な馬鹿なのでそうさせていただいている

「……はい？」
『あ、Aか？明日の話なんだが』
「…あぁ、カラ松…」

わかっているのに声に出したのは快楽を求めているから？
誰でも良い？違う、カラ松が良い


『…A？』
「あ、っなんでもない…ごめん」
『なんでもないことないだろ。待ってろ、今そっち行くから』

そう言われてえ？と訊き返す前に電話は切られた

ピーンポーン…


今家にお父さんはいない。またどこかで女遊びでもしてるんだろう。金だけはある人だから

「はい…Aですけど…」
「Aか。開けてくれ」

インターホンから聞こえて来た低くて優しいトーンの声
その声を聞いただけで泣きそうになるのはなんでなの？


ドアを開けた途端腕を引かれてカラ松の厚い胸板に、がっしりした腕に抱きしめられる


「ゆっくりで良いから話せるか？」
「………お父さんが…また…愛生(あいせい)のこと…」

そうか、と低く呟いたカラ松はどこか怒っているように感じて。

「………好き…」
「え？」
「好き、カラ松。私が困ってた時にちゃんと頼っても良いって言ってくれたり、優しかったり…本当に好きなの…」
「あ、あの、A？」
「好き…ダメ？ダメなの？」

私の突然の告白に驚いている様子のカラ松
あたふたと抱きしめている腕を背中からどかすので、私が抱きつく
赤くなった顔を見られたくないからだ

「…俺も…」
「…え？」
「俺も、好き、だ…」


そう真っ赤になって言って顔をそらす
息が止まるくらい嬉しい

「……好きだよ」

一時だけ幸せを頂戴


私はそれを噛みしめるから



私のことを抱きしめたカラ松の体温はとても温かかった＿＿＿＿＿



「……だから、好きって言葉が好きなのよ」
「…A、ちゃ…」

トド松が何も言えない、という顔で私を見る

そんな顔しないで


見てて痛々しいことはわかってる
ただ、もう少し夢を見させて



もう一度、好きと言ってもらえる日まで…



好きだよカラ松ずっと前から


あなたが冷めたとしても、私はずっと好きだから



愛してるなんて言わないで

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• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

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あずきいろ

ラッキーナンバー

8

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