カラッポ【カラ松】

Twenty three episodes ページ26

「…か、カラ松……」


驚いた、と胸をなでおろす
綺麗だな。ともう一度言うカラ松



あ、私今…普通に話せてる……？



「…永遠に続く青空ね」
「………それでもいつか、くすんでしまう」



……あなたからは、そう言う答えしか聞いた事がないわ

ねぇ、肯定してくれるのはいつ？

ねぇ、意味はわかってるでしょう？
だってあなたは古文の教師



「……おそ松が呼んでるわ」
「あぁ、後で行く」



空が好きなのね

愛おしそうに虚空を見つめるカラ松は凛々しくて好き


そっと微笑んで空を見上げて見ると、飛行機雲が線を引いている

その白さは、いつもどこまでも続いてる
明日を見ているんだろうか……？

「ねぇ、おそ松探してるかもよ？」
「あぁ、いいんだ」

良いのかな……

じっとカラ松を見つめるけど、こっちを向かないでずっと空を見上げる


気づいてないの……？
そんなことないよね、きっと気づいてくれてるはず…


そう思い、眉を歪ませ拳をぎゅっと握る


「……ねぇ、おそ松が……」

これで３回目だ

本当にいいのか


「……じゃあ、もう少しだけ……あとで行く」


にこやかに笑うカラ松の顔は、本気で笑っていない


ねぇ、私が怖いの？


…怖いわ


そう思い、じゃあこれで……と呟いた


カラ松は黙ったまま


……怖い…？


右腕の手首を隠し、袖を伸ばす


風が一陣、私達の間を吹き荒れた


急ぎの様子じゃなかったし、良いかな？と思って屋上から出ようとする


と、腕を引かれてカラ松の胸板に後頭部をぶつけた


「っ、えっと……カラ……」
「行かないでくれ……少し、肌寒い」

自意識過剰かもしれない


本当に、肌寒いだけかもしれない


ねぇ、早く上着を差し出して…？
少し大きいから、カラ松のサイズにも合うはず…


「……honey、少し……少しだけ…少し、肌寒いな……」
「…………えぇ、そうね……寒いわ」


そうね、肌寒い
私は寒いよ、カラ松…


カラ松は意味に気づいてない

そうかもしれないけど、期待しても良いですか……？






【少し肌寒いですね】＿＿＿＿＿＿＿



＿＿＿＿＿＿＿手を繋いでもいいですか…？





【寒いですね】






＿＿＿＿＿＿＿抱きしめてください




「……カラ松、私……暖かいわよ…？」





【暖かいですね】




あなたがそばにいてくれて幸せです





✽.｡.:*・ﾟ ✽.｡.:*・ﾟ ✽.｡.:*・ﾟ ✽.｡.:*・ﾟ ✽.｡.:*・ﾟ

永遠に続く青空ですね



ずっと澄んだ気持ちで愛しています

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