カラッポ【カラ松】

Ten episodes ページ12

「あ、生徒会長。明日の体育のことなんだけど…」

たまたま家に来たので生徒会長に仕事の話をする

生徒会長はアイドルグッズを眺めつつちゃんと話を聞いてくれた
器用なやつだな、といつも思う


「あぁ、明日は会議があったんだった…」
「え？何それ」

忌々しそうに空を見つめる生徒会長を見上げると、知らないの？と一言


「明日は多数のイベントの中でも生徒にかなり人気な『先生体力テスト』…通称ＴＦＴ…Teacher's Fitness testの日じゃない」

知らないの？と言うふうに写真集から目を離す生徒会長
知らないので首を横に振るとじゃあ説明してあげる。と写真集まで置いて語ってくれた

そして思ったことは一つだ


男子生徒が男性教員の体力テスト見て楽しいのだろうか


それはわからないが私たち二人(私とトト子だ)は楽しいので何も言わない
校長は一体何を考えてるのか…


わからないが(二回目)


とりま楽しみです☆


早く明日が来ないかなぁ…


とか言ってたのは前日の昼
今はあっっっっっつい炎天下の中パタパタとＴシャツの裾で仰いでいる

昔からそうだがなんで運動会とか遠足とかになったら雨が降るか炎天下か何だろう
これは人間の運命(さだめ)なんだろうか

あまりにも過酷じゃないか？

そんなことを考えながらトト子と暑い暑いと言い合う
言ってもどうしようもないのはわかっているが言っておかないと体が溶けて無くなってしまう



《先生方はグラウンドに集まってください》
「集合かかってますよ！弱井先生！A先生！」

生徒に言われてしまって開会式をサボれなかった
恨む


「ではくれぐれも熱中症には気をつけてください」
「それよりも暑いんですけど…校長！」
「我慢してください。私も暑いです」


周りを見渡すと十四松以外やる気がないように伺える
トド松なんて超あざといオーラ全開だ



「それではまず第1種目です。『握力測定』」

体育委員が朝礼台に立って汗をかきながら司会を進める

「あれ見てトト子。超青春してる」
「それ嫌味になるわよ。A」

それを顎でさすとそう言われてしまった

まぁ確かにねと思いながら列に並ぶ


「最後に握力測ったの高校の時ですよ」
「僕らは毎年この時期になると測ってるなぁ」

新任教師とベテラン教員が話をしていて和む。………かな？


「もーいやよ私。なんのために測るのよ…」
「まぁまぁ。安全のためでしょ」
「良いわよねーAは。体育教員じゃない」

まぁね、と返した私は結構楽しみだ

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