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仁兎さんと友也のユニット──Ra*bitsはその後も比較的順調に勝ち進んでいった。彼らが次に出るのは一時間後の準決勝。相対するはアイドル科生徒会長にして個人的に知人である英智さんが率いる学院最強ユニットfineか。先日のS1で紅月を破った革命児Trickstarか。裏でS1のすべての糸を引いてたらしいUNDEADなのか。どこも厳しそう、としか言いようがない。願わくば、Trickstarであってほしい。そのほうがまだ勝ち筋がある気がするから。
昼休憩と言われ、私は学院を後にした。勿論、ここで帰るなんてことするはずがない。そのまま繁華街に向かい、モールに足を踏み入れる。目的は差し入れの購入。まあ、差し入れをしたところで彼らに届くかは微妙だが。友也は何が好きだったっけ？ そんなことを考えながら食料品エリアをぶらついた。
オムライス……いやいや差し入れでしょ？ そこはお菓子とかじゃなきゃ。というかオムライス差し入れるってなによそれ。そう考え、悩んだ末に辿り着いた結論。春休みにいつメン八人がいろいろ持ち寄ってうちでホームパーティーしたとき、友也がおいしいって言ってたバームクーヘン。間違いはないだろう。
Ra*bits四人分とご家族の分も欲しいな、と考えるとやはり四つ買っていくべきか。結構痛い出費にはなるが、後悔はない。全く。もともとうちは比較的裕福なほうだ。そしてアイドル以外に貢ぐ対象は特にいない。だから、大して問題もない、はず。うん。
さらに買い物をいくつかした後、紙袋を手に私は夢ノ咲へ急ぐ。あと二十分で始まってしまう。準決勝が講堂に変更されたと知ってすぐにチケットは用意してあるし、出番が先か後かも知らないけれど……もし先で、間に合わなかったら大変だ。
講堂に飛び込み、大混雑の中席に座る。舞台上には仁兎さんがいた。先だったのか。間に合ってよかった。と安堵した、その瞬間。
「すみません！通してください！！」
────Trickstarです！と、そう聞こえた。
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朝比奈 - 友也推しだったのでこんな小説に出会えて光栄です。 (2019年3月16日 21時) (
レス) id: 8db1a20507 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠伊 | 作成日時：2018年10月23日 20時
