星を超えた想いを32【オリオンの刻印】 (ページ1)

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爆発音ページ1

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アメリカ代表対ネイビーインベーダーの模擬戦は開始から三分も経たないうちに波乱を迎えていた。

一度は一之瀬がシュートを放ったもののネイビーインベーダーのGKビッグマンは必殺技「軍事衛星フォボス」でシュートを受け止められてしまう。

さらにはスターユニコーンのFW、ミケーレ・ジャックスに怪我を負わせて負傷退場へと追い込ませる。チームメイトを傷つけられたスターユニコーンの選手達は怒りのパワーで攻め上がる。

「うおおおお!!」

一気にゴール前にまでボールを持ち運んだディラン。するとGKを除くネイビーインベーダーの選手達はハンドサインで妙な手の動きを見せると迫り来るディランの前に立ちはだかった。

そして目まぐるしいスピードで代表選手達の横を走り抜いていくとフィールドを縦横無尽に駆け巡る。

「な、なんだ？」

「あれじゃゴール前ががら空きじゃない」

彼らの妙な策に明日人とAは当惑の眉を顰める。ネイビーインベーダーの選手十人全員が散開したことで、ゴール前にはGK以外誰も守るものがおらず、スキだらけだった。

そんな絶好のチャンスをみすみす逃すはずもなくディランがシュート体勢に入った、その時。

突然アメリカ代表の選手達の足元から眩い光が放たれはじめた。その光は徐々に地上へと盛り上がるように輝き、次第に地響きを起こし始める。

「な、何が起こって…！地震？」

「いや違う、これは……！」

野坂が倒れそうになったAの肩に腕を回し、その体を支えながらフィールドで起きている異常事態に勘づいた時には、爆発音と共に凄まじい暴風がコートの外にいる円堂達を襲った。

「な、なに！？なんで急に……っ」

肩を抱き寄せられ、暴風から野坂に庇われていたAは目を固く瞑っている。フィールドからは一之瀬達の悲鳴だけが爆発音に紛れて響いていた。

フィールドは爆発の煙幕に包まれていた。

そして、煙が晴れた頃には……

「そんな……！」

暴風がおさまり、瞼を開いた明日人はフィールドに視線を戻すと我が目を疑った。先程までゴール前に迫り、駆け上がっていたアメリカ代表選手、その全員がネイビーインベーダーの前に倒れ伏している。

「これは…」

「何が起きたんだ」

「こんな……」

「みんな！一之瀬、土門大丈夫か！」

状況が飲み込めず、ただ呆然と立ち尽くしていた灰崎、明日人、野坂であったが、その中でも真っ先に円堂が血相を変えて彼らの元へと走り出す。