天才捕手の結婚事情

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貴方side

それから数週間。

一也への取材も落ち着いてきて、今日は私も撮影はなし。

のんびりしている、というわけではないけれど…。

御幸「なぁ、これいんの??」

貴方「…多分いらない」

今日は2人で私が住んでいたマンションの引越し準備。
婚姻届を提出した私たちはしばらくは前と同様別々に暮らしていたのだけれど、流石に不便ということで一也の住んでいるマンションに引っ越すことにした。

私もそれなりに稼いでいる方だと思っていたけどやっぱり野球選手は桁が違うから一也の家の方が断然広い。

御幸「じゃ、これは」

貴方「…い、る」

御幸「……お前、少し処分しないと荷物多すぎるぞ」

貴方「はい…」

一也も手伝ってくれているけど、私はどうも処分というのが嫌いみたいで、一也がさっさと捨てて行くのに何度も文句を言っていた。

特に多いのが服。

雑誌の撮影の時に来た服やブランドのイメージガールをした時にもらった物など、クローゼットにはいっぱいに詰め込まれていた。

貴方「勿体無いよ」

それを見つめながらそう呟くと

御幸「けど、お前これほとんどもう着ないだろ…」

とツッコまれた。

貴方「ドラマの世界と違って実際の引越しは苦労するね…」

御幸「何でもドラマと同じにするなよ…」

ドラマや映画なんかでいろんな体験をさせてもらって大変だなぁと思ったけど現実にやってみるとそれ以上に大変なことがわかった。

御幸「純さんがもう直ぐ着くらしいから早くまとめるぞ」

引越し業者に荷物を任せようとも思ったんだけど、なんと一也の先輩で先日お世話になった梨香子さんの旦那さんが気を利かせてトラックを出してくれるらしい。

貴方「一也って本当にぼっちだったの？以外と交友関係広くない？」

唯たちが一也はぼっちだったって言ってたけど嘘だったのかしら…。

御幸「誰情報だよ、それ」

あ、その反応と顔的に本当だったみたいだ。

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