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御幸side
貴方「一也なんて大嫌い!!」
そう言って部屋を飛び出したAを追いかけようとしてやめた。
御幸「…なんで勝手なことしてんだよ……」
アイツが出て行った扉を見つめそう呟いた。
家に帰ってきた俺にAは話があると真剣な顔をして言った。
何事かと不安に思いながらAと向かい合う形で座るとAが言った言葉は
"結婚すると同時に芸能界を辞めることにした"
だった。
そこまで俺に尽くしてくれなくていい。
芸能界を続けたままアスリートを支えてる人だって何人もいる。確かに両立は難しいのかもしれねぇけど、俺だって家事ができないわけでもないしアイツが辞めるほどのことでもないと思ってたし、なにより
御幸「…辞めて欲しくねぇんだよ」
俺が好きになったAは一生懸命役になりきろうとするAだ。人を笑顔にしようと頑張るAだった。
女優を辞めるって言われた時点ですでに嫌だった。
アイツが今まで積み重ねてきたものを手放して欲しくなかった。
御幸「……くそ……」
ソファに身体を預けてそう呟いた時、ふとAが使っている私室の扉がかすかに空いているのが見えた。
正直、気が引けたけどそっとその扉を開ける。
御幸「……まじかよ」
その部屋には引越しの時にはなかった料理の本や栄養士の資格についての本まであった。
それも1、2冊じゃなくて大量に。
その中から適当に手に取ってパラパラと中を見ればマーカーでラインが惹かれていたり、付箋が大量に貼られていたりとどれだけ読み込んだのかがすぐにわかった。
アイツだって考えがあってあぁしてくれた。
なにより、ここまでしてくれてる奴の行動を否定するわけにはいかねぇ…。
そっと本を元の場所に戻すと俺は車のキーを持って家を出た。
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柊 亜莉沙(プロフ) - しんでれらさん» わかりました!ご協力ありがとございますヾ(*・ω・*)ノ これからもよろしくお願いします! (2016年5月11日 5時) (レス) id: 595dffac8c (このIDを非表示/違反報告)
しんでれら(プロフ) - 芸能界を引退させて、御幸尽くす主人公がみてみたいです!! (2016年5月11日 0時) (レス) id: 5656488d4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 亜莉沙 x他1人 | 作成日時:2016年3月26日 7時