僕の大好きな君 2

飲み会-K- ページ23

お母さんの症状は、今回はそれほど続かず、予定通りにすぐに退院することができた


退院する時には迎えに行き、一週間ほどふたりで過ごしたけれど、状態も落ち着いていて、ほっとしていた

そしてその間、しばらく太輔に会えずにいた


就活を初めながら、アルバイトと言う、忙しい日々のはずの太輔は、俺が一人暮らしの家に帰ると、以前にも増してちょっとでも会いに来てくれるようになった


この毎日が、どんな意味を持っていて、どこに行くのか、何も見えないしさっぱり分からない

けれど、空白の時間を取り戻すみたいに、とにかくふたりで過ごしていた



そんな頃、仲間たちから例のサークルの有志との飲み会の話が本格的に持ち上がった

母親のことが落ち着いて、少し羽を伸ばしたいな、と考えていた矢先だったので、嬉しかった

仲間たちが太輔も誘えと言うので、その飲み会に呼ぶメンバーに、ひとつだけ条件を出した


「今回は男同士、ゆっくり語り合いたい」

「えー？
女の子なしなの？」

「考えてみろよ、いつものメンバーなんだから、俺たちより新鮮なイケメンふたりにどのみちぜんぶ持ってかれるぞ」

俺が言うと、それもそうか、と単純な仲間たちはすぐに納得してくれて、特に仲良しの少人数で集まることになった


本当は、俺が、


女の子に太輔を取られたくなかったから出した、わがままな条件だったんだけど




その日、太輔に会ったので、飲み会のことを伝えてみた


「俺の仲間が、俺と仲良しの太輔に会ってみたいんだって

サークルの集まりと言うよりもただの飲み会で、楽しい奴らだから太輔にも紹介したいし、太輔も横尾さん連れて来ない？」



「…ありがと、みっくんがいるなら行くよ
渉にも声掛けてみるね」

と、快諾してくれたので、太輔のその言葉を伝えると、早速仲間たちが張り切って動き出した


ちょっと気が利いていて、大人数でも換気の行き届いている店を探して、俺たち暇だからさー、と、日程は俺と太輔たちに合わせてくれて、

あっと言う間にその日を迎えた

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