僕の大好きな君 2

再会-F-2 ページ3

「久しぶりだな」


嬉しそうに微笑むみっくんは
舞い散る桜がそう見せるのか、頬が薄く染まって見えて可愛い、と思った


物心ついた頃から、ずっと一緒で大好きだったみっくんの笑顔に、知らず、心臓が高鳴る


懐かしい、人懐こい笑顔は２０歳になった今も健在だった



それにしても、



「どうしてここに？」


入学してから一度も会ったことがなかったみっくんと、何年も経ってから会うなんて

「俺、休学しててこの間復学したんだ

キャンパス違うから会わないんだよな、今日は友達と約束してて」


同じ大学だなんて、そんな話も噂も聞いていなかった

確かにこのご時世、オンライン授業も多いし、学校に来ることの方が少ない

話を聞けば、法学部のみっくんと、文学部の俺はキャンパスが違う


それに休学してたなら尚更だろう

それにしても、どうして休学なんてしてたんだろう


「…元気そう？」
曖昧に聞いてみると、

「それだけが取り柄だからなあ」

照れ臭そうに鼻を擦りながら、笑うみっくん

そのどの仕草も昔のままで
俺には魅力的に写った


でもよかった、体の調子が悪かったわけじゃないんだ



すると、遠くでみっくんを呼ぶ声がする

「あ、やばい、待たせてたんだった

…太輔、また連絡してもいい？
連絡先、変わってない？」


「…変わってないよ」

「そっか、じゃあまた！
引き止めてごめんな！」

そうして大きく手を振りながら、走って仲間たちのところに行ったみっくん

真新しく、なんとなくソワソワするような春の空気を感じながら、その場に立ち尽くしていつまでもその後ろ姿を見送っていた

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