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終焉の世界 ページ32

どうやら、姉の元彼氏は歌い手をやっているらしい。

歌い手について調べてみる。

ボカロ曲をカバーする人達なんだ。皆からちやほやされてて羨ましいな。

……でも、この人達も幸せな人。人気になれる事は決して簡単ではない。

実力と運が必要だ。

私にとってそれがある人達は憎むべき者。

そうだ!!この人達を誘拐してこのゲームに参加させて仕舞えば良いんだ!!

私のこの考えにより、彼らをここに招待することになった。



「……って感じかな」

私が全てを話すと、彼は黙り込んでしまう。

「ようするに、幸せな人間全員に嫉妬したって事」

自分だけ愛されないまま誰にも知られず死んでいく。

この悲しみを、私は許せなかった。

私は、私がここに生きている理由が欲しかった。

「……そっか。一人でずっと寂しかったよね。辛かったよね」

「同情?そんなのいらない!!寂しくなんか……!!」

「じゃあなんで……泣いてるの?」

「え……」

私は頬を触る。確かに少し濡れている。視界がぼやけていく。

私は、泣いている。

彼は私に近づき、優しくきつく抱きしめた。

「誰にも愛されなくて、悲しかったよね。悔しかったよね。

でも本当は、愛も友情も劣等感も夢も明日も希望も生きる理由も……何もいらないんだよ。

ただ君が生きていたらそれでいい。生きている事に、悪いも良いもないんだ」

彼の言葉一つ一つに胸を打たれる。

私は、憎む必要なんて無かったんだ。

「大丈夫。僕が君のそばに居るから」

その言葉により、今迄の世界が全て壊れていく。

「ありがとう」

私は泣きながら、目を閉じて消えた。



まふさんの言葉は【命に嫌われている】の歌詞を参考にさせて頂きました。

この曲に、私は助けられました。

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設定タグ:歌い手 , 異次元殺戮ゲーム , 殺し合い   
作品ジャンル:ホラー
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千冬(プロフ) - コメントありがとうございます。優しいお母様の言葉に心を打たれました。虐められてから笑う事も自分から好きになる事もあまり無かったので、これからは積極的に好きなものを見つけて生きたいと思います。この作品を気に入ってくださり本当にありがとうございました。 (2017年10月28日 20時) (レス) id: 524936adfc (このIDを非表示/違反報告)
透夢(プロフ) - 最後の方のいじめのお話で泣いてしまいました。私もいじめられていたことがありますがお母さんに言われました「いじめる暇人の相手するくらいなら自分の好きなこと見つけなさい」と。なので、好きなことを見つけてみてください。(この作品、共感できて好きです) (2017年10月28日 18時) (レス) id: 4ad2cac8b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千冬 | 作成日時:2017年10月8日 9時

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