Knights ページ17
そんなこんなでスタジオに到着。
扉の前に立つと緊張を抑える間もなく扉を開け放つ月永先輩。
すると、中にいた銀髪の先輩…確か瀬名先輩が立ち上がって月永先輩に声を掛ける。
これでも最近はしっかりアイドルを勉強しているのだ。今まで余裕がなかった分を取り返さないと。
「あっれぇ?早いね。しかも自分で歩いてるし…かさくんも成長したってことぉ?」
司くんにも声をかけるため扉の方へ彼が見向くと私と目が合う。びっくりして月永先輩の後ろに隠れ、それでは失礼だと思い直しそっと出て頭を下げる。
「あ、えっと…1-Bの桜城Aと、申します…」
「ふぅん、別に聞いてないけど。で、なんで部外者連れ込んでるわけぇ?」
うっ。整った顔立ちで凄まれると怖い。
「なんとなくだ!でも王様の言うことは絶対だろ?」
と月永先輩が明るく放つと前後両サイドからつまり、瀬名先輩と司くんからため息が零れた。
その後こちらを見る瀬名先輩。値踏みをされているようなそんな視線が痛かった。逃げようとすると瀬名先輩の後ろから金髪の鳴上先輩が出てきて瀬名先輩の肩に手を置き
「こらこら、泉ちゃん。女の子睨んじゃだめじゃない!」
と告げるとこちらを見て少し屈んで
「大丈夫?怖くなかったかしらァ?」
と笑顔で聞いてくれたのに
「大丈、夫です…ありがとうござ、います…」
と片言で返してしまうあたり矢張り人見知りは治っていなかったのだと再度認識させられるのだった。しかしそれを見た鳴上先輩は怒るどころか
「やぁ〜ん!かわいい!!お姉さんとお話しましょ♪」
と言って手を引いてスタジオへと案内してくれたのだった。突然のことに付いて行けないでいると不意に先輩が口を開いて
「Aちゃんでいいのよね?私の事は気軽にお姉ちゃんって呼んでいいのよォ」
と。嬉しくて出来るだけちゃんと応えようと思ったので
「はい…!え、えと鳴上お姉ちゃん…?」
としどろもどろに返すとまたかわいいと言ってくれたが、褒められるのがなんだか照れくさくて下を向きそうになる。しかも美人にだ。余計に症状は顕著だった。
「ふふっ。私の事知ってくれてるのねェ嬉しいわァ!普通にお姉ちゃんでいいわよォ」
えへへ、よろしくお願いしますお姉ちゃん、と呼ぶとまた嬉しそうにしてくれた。理由を尋ねたら司くんは呼んでくれないからだそうだ。
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作者名:ぽあぷるーじゅ。 | 作成日時:2018年2月12日 13時