顔合わせ、真打 ページ11
深呼吸をして身を引き締めノックをする。
どうぞ、と言われて扉を開く。
すると目に入ってきたのはカーテンを閉め切り、薄暗い部室の中に座る四人のアイドル達。
恐らく、資料で見たUNDEADの皆様方だ。
「おお、Aの嬢ちゃんや、よく来たのう♪取り敢えずこっちに寄って座るが良い」
と、朔間先輩の隣の椅子に手招きされたのでありがとうございます、と告げ座ろうとしたが、その言葉は途中から入ってきた叫び声によって阻まれる。
「おい?なんでAがプロデューサーなんだよっ?!Ra*bitsの専属じゃなかったのかよ?説明しやがれ吸血鬼ヤロ〜!!」
棺桶に座っていた晃牙が荒々しく立ち上がり朔間先輩を問いただす。
するると横槍がまた飛んでくる。
「プロデューサーって言うからてっきりあんずちゃんかと思ってたけど…君は一年生の方の子かな?会えて嬉しいよ!君も可愛いね、わんこくんと知り合いみたいだけど…俺もAちゃんって呼んでいいかな?」
突然のマシンガントークにオロオロしていると誰かが立ち塞がり、
「羽風先輩、こいつが困っている。…大丈夫か?」
「あ、はい、大丈夫…と、思います…です」
しどろもどろに返す私にふっ、と柔らかく笑ってくれる褐色肌の青年。
ここで思い出して欲しい、私には人見知りという設定が付加されているということを。
「そうか。…ほら大神も。朔間先輩が困っているだろう。先程から何かを話そうとしているように見える。落ち着け。」
その後、晃牙の方へと行き宥める。晃牙が言うことを素直に聞いて怒鳴るのをやめたのを見た時には大層驚いた。
宥められた晃牙が座ると、朔間先輩がありがとうアドニスくん、と微笑み、話を始める。
「まあ、今日は簡単な方針とスケジュール合わせ、あとは自己紹介かのう?我輩とわんこは必要ないのじゃが…羽風くんとアドニスくんは初対面じゃろ」
「はいはーい、じゃあ俺から〜三年A組羽風薫、趣味はサーフィンと女の子とのデート。いいカフェ見つけたから今度一緒に…って晃牙くん怖いー…これから宜しくね〜」
と言ってウインクをする。綺麗な金髪がた整った顔立ちの前で微かに揺れる。アイドルってステージから降りても華があるんだなぁ…
「二年A組乙狩アドニスだ。」
先程助けてくれた優しい先輩。どうやら話すのがあまり得意でないらしいが目が優しく人格が見て取れる。
「…一年B組の桜城Aと申します。宜しくお願いします」
お辞儀をする
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作者名:ぽあぷるーじゅ。 | 作成日時:2018年2月12日 13時