スプーンいっぱいの勇気。 【Ra*bits】

試着 ページ28

暫くするとお揃いの衣装に身を包んだ彼らが戻ってきた。


｢ただいまなんだぜ〜！いっちばん乗り〜！｣


｢こら、光ちん！本番まで衣装は丁寧に扱えよ〜？｣


｢はーい、なんだぜ〜｣


｢えっと…サイズとか大丈夫ですか…？｣


Ra*bitsのイメージであるセーラーを月見のイメージに合わせて少し暗くした生地に浴衣のような袖、除く素足に少しのレースが掛かっている。
そして、メンバーカラーをイメージした髪飾り。


｢ピッタリです…！…あの、｣


口々に褒めてくれる。上手にできたみたいで良かった…


その中で創くんが少し照れながら近付いてきて、次にこう続けた。


｢あの…に、似合ってますか…？！｣


｢…！｣


驚いてしまって声を失う。


なんというか、こう…自分の作った衣装を褒めるようで気が引けるなぁ…斎宮先輩を褒める感覚なら…？


想定外の状況にあわあわと考えていると、


｢俺も俺も！似合うかなっ？！｣


｢あ、俺も、見て欲しい…かも…！｣


｢ほら、プロデューサー？こいつらに、いや、俺たちに魔法をかけてくれ｣


囲まれて、恥ずかしくなりながらそれでも。


私の言葉なんかで勇気を、魔法を掛けられるのなら。


｢…はい！…とっても、とーっても似合っていますよ…！この衣装を着こなせるのはRa*bitsのみんなだけです…！｣

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