スプーンいっぱいの勇気。 【Ra*bits】

上出来かな…？ ページ25

3日後、斎宮先輩、影片先輩の助力のおかげでなんとか衣装が仕上がった。


今日は試着をしてもらおうと思っており、レッスン室に向かっているところだ。


因みに、前1週間は私の今までのバイト代から出させてもらっている。


申し訳ないと最初は断られたのだが、バイト代の使い道が無かったからいいと無理矢理押し付ける形になってしまったが、経験を得るためだったり影片先輩がいるならーくらいの気持ちでアルバイトをしていたため本当に使い道がなかったのでむしろ有難いくらいだった。


ここ数日、朝の差し入れ以外で顔を出せておらず、申し訳なさ半分、楽しみ半分であった。


｢〜♪｣


｢おお…？それは俺の歌だな？！えっと、たしかお前は…待って思い出すから！！…う、うーんと…そうだっA〜！｣


後ろからこの間ぶりのオレンジの髪色を靡かせた先輩が声をかけてくれた。


｢はい！この間はありがとうございました！あ、後日御礼に伺おうと思っていたのですが…何時なら教室に居るのでしょうか…？｣


｢う〜ん俺あんまり授業とか受けないからな〜あ、でも多分昼休みはこの間みたいにガーデンスペースとかにいると思うぞ〜｣


｢わかりました！お菓子を持って行きますね！｣


やった、と目を輝かせてくれました。Aのお菓子はおいしいから、とも言ってくれて。


喜びがこみ上げてきて危うく予定を忘れてしまうところだった。


｢…あ！すいません、先輩！用事があるのでまたそのうち伺いますね！｣


お辞儀をして言葉も早々に走って向かってしまった。

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