勝手に解釈してみたった (ページ16)

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少年side

俺と彼女が出会ったのは今から一年ほど前。

世界は終末を迎えようとしていた。

ある日のニュースで、偉そうなおじさんが、真っ青な顔をしながらこう伝えた。

「世界はあと…1年で終わります。地球が、滅びるのです。」

当然世界中で大パニックが発生した。

地球が滅びる原因を作ったのも人間達なのに。なんなら鳥や魚など前から地球に住んでいた奴らの方が余程哀れだ。

そんな俺の態度が気に食わなかったのか、それともパニック状態に陥り、とにかく何かストレスをぶつけるものが欲しかったのか。

俺は虐められだした。

地球があと1年で滅びんのに何やってんだこいつら

と、思いながら素直に虐められていた。

どうせあと1年

ならもういいや、と投げやりになっていた。

そんなある日

俺は川に突き落とされた。

流石にそろそろ冬とあっては寒い。

風邪を引きそうだからシャツを脱いで乾かしていた。

どうせ誰も来ないから。

と、痣だらけの体をその寒風に晒していた。

すると

「ねえ、なんで君そんなに痣だらけなの？」

と、声がした。

声の方を振り向くと、彼女がいた。

彼女はこの辺りでは見たことない、赤っぽい色の髪を揺らしてもう一度問った。

「ねえ、なんで君そんな痣だらけなの？」

「ん…皆が殴るから。」

彼女の顔が悲しそうに曇った。

「…なんで、皆そんなことするの？」

「知らねぇよ。」

「貴方はそのままでいいの？痛くないの？」

「…うるせぇな。どうせあと1年なんだから。」

「あと1年？」

俺は彼女の言葉に耳を疑った。

ここまで世の中で騒いでんのに知らねぇのかよ

「…あと1年で地球が滅びるんだよ。知らねぇのか」

彼女の顔色が微かに変わった。

強ばった顔をして何かをぶつぶつ呟いている。

余りに怖いので肩を揺すった。

「…おいっ。大丈夫か？」

「あ、うん…。大丈夫」

どう考えても大丈夫ではなさそうな顔だったがわざわざ触れることでもあるまいと、触れなかった。

「あ、ねぇ。あなたの名前は？」

「海里。…そっちは」

「私は…千尋」

「なぁ…お前のその髪、何色って言うんだよ」

「あ、これはね〜小豆色っていうの。生まれつき。」

生まれつきか。珍しいな…。まあそういうおれも結構茶色がかってるし人のこと言えねぇけど。

「あ、海里くんはどこに住んでるの？」

「俺は……」

こんな調子でずっと話し続けていた。

誰かとこんなに話したのは久しぶりだった。