君と私とチョコレート。

＊ ページ27

＊


翌日。


同僚「阿部さんに恋人！？」


『うん、』


同僚「でもただの噂話なんでしょ？それじゃ本当にいるかどうかわかんないじゃん」


『それはそうだけど…』


阿部「あ、いた、Aちゃん」


その声がして振り向くと、阿部さんがいた。


『阿部さん…』


阿部「いきなりだけど今日の夜、空いてるかな？」


『へっ！？』


・


・


・


・


夜、私は阿部さんと2人で食事をしている。


阿部「昨日の、本当はAちゃんのミスじゃなかったんだよね？」


『…え、』


阿部「気がつかなくてごめんね」


同僚から聞いたのだろうか。


『それって…』


阿部「ううん、俺が聞いたんだ。Aちゃんのチームが大変そうだったから彼女に聞いたら、そうやって話してくれた」


『…』


阿部「俺がもっと、注意深く見ていたら…Aちゃんが濡れ衣を着せられることはなかったのにって悔しくなった」


『…でも、阿部さんはそもそもチームが違いますし』


阿部「チームは違えど、同じ部署の後輩なのは変わりないでしょ？」


だから、本当にごめんね、と頭を下げる彼を見つめる。


阿部「今日は俺の奢りだから、食べたいものなんでも注文してね(笑)」


『ありがとうございます(笑)』


彼はどこまで良い人なんだろう。


また胸が苦しくなる。


私は、この人が好きだ。


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