スマホから推しがでてきた【北信介】

3日目 昼 ページ12

お昼休み。

何故か胸の当たりがほわほわしてついボウっとしてしまう。

それで思い出すのは北先輩で、

北先輩を思い浮かべると胸がきゅ、とする。

「あんたどないしたん？熱でもあるん？」

私のいつもとは違う様子に心配してくれる友人。

『や、熱は全くない。ちょっとボーッしてた』

「まあなんでもええけど。」

まじそーゆーとこあるよな。

どうにか気を紛らわそうとゲームを開くも、

(そうだ、北先輩そっくりの信一さんがいるんだった…)

何故か気恥ずかしくなり、スマホを閉じる。



これじゃ、私が北先輩好きみたいじゃん。

いや、ないない。

まだ出会って数日しか経ってないのに。

ぶんぶんと煩悩を振り落とす。

北先輩は、ただ推しに似てるってだけ、


うん。


「そいや、聞いた？3年の佐藤先輩の噂」

『何それ？』

「3年にさ、いるんよ。めっちゃ女遊び激しい人」

女遊びかあ。あんまり好きじゃないタイプだ。

『その先輩がどうかしたの？』

「そや、佐藤先輩他校の女子と三股くらいかけてて」

『三股…！？やば、リアルでそういう人いるんだ』

「おん、しかも裏でやばいことやってるらしいで」

噂だから本当がわかんないけど、

そんな人うちの学校にいるのか…。

噂話あんま聞かないから知らなかった。

「あんたも気ぃつけてな。その人誰にでも手出すしA顔はめっちゃええんやから」

『まって顔だけってなに』

「否定くらいしろや。あんた脳内乙女ゲーやん」

ぐうの音も出ない。

顔云々はまあ、ちょっと可愛い位だとは思う。

ナルシストじゃなくて、そう。

クラスで5番目に可愛い子みたいな感じなんだと思う

脳内乙女ゲーはもう否定のしようがない。

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