１３＝相違 ページ13
食事も終わり、湯浴みも終わり、あとは就寝時刻を待つだけとなった。
部屋には二人きり。フロイは机に向かい、私もまた意味も無く机に向かっていた。
きっとフロイはサッカーについてのノートをとっている。
私はする事も無く、話すことも無い気まずい雰囲気から逃げたくて、湯上り早々机に向かい何となく参考書を開いた。
後ろにいるフロイは、集中していて私の事は気に止めていないのだろう。
「(フロイは…明日からまた合宿所生活になるのか…)」
ええと、確か次の試合で “えふえふあい本戦”？に進出が決まるとか何とかテレビで聞いた気がする。
今の試合と本戦と呼ばれる試合の何が違うのかよく分からないけれど…頑張って、フロイ。
心の中で届きもしない応援を送って、フロイがいつでも寝れるように先にベッドへ足を入れる。
布団に入った布の擦れる音が耳に入ってしまったのか、フロイが振り向いて、目が合う。
「寝るの？A」
「はい、先に失礼します」
「ごめんね、明るくて。すぐおわるから」
「いいえ、私は明るくても暗くても寝れますから。どうぞお気遣い無く。」
「…ありがとう、おやすみ」
「おやすみなさい」
夜の挨拶をして、フロイが前を向いたのを確認して私は布団に潜る。
…ただ、横目でフロイの後ろ姿を見ているけれど。
フロイが同じ部屋にいて、落ち着かないけれど
じっと後ろ姿を見ていられるのは役得だ…。
十一の頃…一度だけ同じベッドで寝た事があった。
あの時は確かまだ会ったばかりで、フロイのお喋りが止まらなくて、
寝るその時までサッカーの話をされ、同じベッドに入る事になった。
とてつもなく心臓に悪かった事だけ覚えている。
フロイが近い事にも、家にバレたらどーしようって事も。
「(その時…私が少しでも興味のあるような反応してたら、今よりもっとお話しが出来てたのかな…。)」
もっと話す事を努力していたら、仲良くなれてたのかな…。
でも、仲良くなれていたら今よりもっと苦しかったと思う。
だって、出会った時からフロイは正々堂々としたサッカーを好んでいて、
私はオリオン財団に与する事は始めから決まっていたから。
当初は自分がどう使われようと気にしていなかったけれど、今は───
・
・
・
心から、オリオン財団に協力しようと思える。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
露図夢(プロフ) - ･:*+.\(( ^^ ))/.:+さん» 更新停止表示になってましたか…！！それでも読んでくれて感激です…！！年末になるにつれて忙しくなりそうなので、遅い更新ペースですが読みに来てくれたら嬉しいです！ (2021年9月20日 19時) (
レス) id: b186ec5ac1 (このIDを非表示/違反報告)
･:*+.\(( ^^ ))/.:+ - 更新停止中でも読めるとこまで読んでみようとして正解でした！更新、できたらお願いします！ (2021年9月12日 19時) (レス) id: 98cc6c3041 (このIDを非表示/違反報告)
露図夢(プロフ) - ルミカさん» いつでもコメントして頂いていいですよ！とても嬉しいです！ありがとうございます！！ (2021年2月21日 12時) (レス) id: 16d9d2f0e9 (このIDを非表示/違反報告)
ルミカ - フロイくんがめちゃめちゃかっこ可愛く書かれてて，とにかくめっちゃ面白くて最高です！！（いきなりコメしてすみません）応援してます！頑張ってください！！ (2021年2月18日 8時) (レス) id: 5a1a3bf3cb (このIDを非表示/違反報告)
露図夢(プロフ) - みっちゃんさん» きてくれたんですね！ありがとうございます！頑張りま〜す！！ (2020年10月26日 13時) (レス) id: b186ec5ac1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：露図夢 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rozumu31/
作成日時：2020年10月25日 20時
