狙われたマキ ページ21
「どうして………どうして私だけ……」
もう、限界だ。
どんなに考えても、考えても………答えはでない。
そして心にぽっかりと空いた隙間。そこにあったはずの大切な何かを思い出すことが出来ない虚無感。
それはマキを追い詰め、次第に負の深淵へと引きずり込んでいく。
誰でもいい………助けてほしい……ただそれだけなのに……
「もういやもういやもういや………なんで私ばっかり…………っ！！悪いのはあいつらなのにっ！！」
狂ったように悲鳴のような声を上げ、教室を飛び出そうとするマキ。
その時だった。
ーがしゃあん！！ー
「ひっ…………！！」
異形の何かが窓ガラスを破り、自分を捕まえようと巨大な腕をマキへと伸ばす。
「い、いや………いやああああっ！！」
身を切り裂くような恐怖に耐えきれず叫んだ、その時だった。
『行きなさい！！フェンリルっ！！』
ーアオォォン！！ー
澄んだ、だが力強い声が響き渡った瞬間、遠吠えが響き渡り黒い巨大な犬のようなものがマキの上を飛び越え怪物に噛みついた。
呆然とするマキの前に庇うように立つ白い服に菫色の髪。
彼女の手にはトゲの付いた鞭が握られていた。
………イメルダだった。
＊＊＊＊＊
金具を手にいれさて探索に行こうとした時、ふと窓の外を見た斬島は息を飲んだ。
沢山の魑魅魍魎。それが校舎を覆いつくさんと群がっていたのだ。いつ校舎内に入ってきても不思議ではない。それはそこにいた平腹とイメルダも気付き臨戦態勢に入る。その時ふと、イメルダの脳裏にマキの姿が浮かんだ。
『(ここがこの状態ということは…まだ校舎内にいるマキさんも…)っ！斬島さん、平腹さん……私……ごめんなさい！！』
「ほ！？イメルダ！？」
「イメルダっ！！追うぞ、平腹！！」
「おうっ！！」
鞭と首輪を手に教室を飛び出したイメルダを追い、斬島と平腹も走り出した。
＊＊＊＊
どこにいるか分からない筈なのだが、何故か足が勝手に進んでいく。まるで何かの力で導かれているようで。階段を駆け上がり薄暗い廊下を走しる。その時だった。
「い、いやああああっ！」
『っ！？マ、マキさん！！今行きますからね！！』
女性の悲鳴が響き渡った。………マキだ。そう確信したイメルダは首輪を構えながら彼女がいるであろう教室の扉を開けた。そこには、窓ガラスを破りマキに襲いかかろうとする化物の姿。
それを見た瞬間、イメルダは首輪を掲げ叫んでいた。
＊フェンリルを出したかった( ノД`)…
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柊羽(プロフ) - 月華さん» ありがとうございます！！これからも駄文ですがコツコツ更新していきますので、よろしくお願いいたします。イラストへのコメントもありがとうございます。 (2016年7月4日 8時) (
レス) id: 9a8d1a9239 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - ていうか画力が神ですね！尊敬します！ (2016年7月3日 13時) (レス) id: 733f44e5a8 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - すごい大好きです！応援してます！ (2016年7月3日 13時) (レス) id: 733f44e5a8 (このIDを非表示/違反報告)
柊羽(プロフ) - リンカさん» ありがとうございます。拙い文章ですが、楽しんでいただけて嬉しいです。 (2016年3月28日 19時) (レス) id: 9a8d1a9239 (このIDを非表示/違反報告)
リンカ - 凄く面白いです！！ 更新頑張って下さい！ (2016年3月28日 14時) (レス) id: bf716977a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊羽 | 作者ホームページ：http://nanos.jp/ys3127/
作成日時：2016年3月22日 19時
