【イナイレ】夏色デイズ【カゲプロパロ】

days4〜最悪な結末〜 ページ37

これでやり直すのは何回目だろうか。

きっと最初のあの時から、もう何十年…いや何百年繰り返した？

もう数えるのも嫌になってくる程、俺の目の前で狩屋は死んでいく。

何度悲劇を避けようとしても…この運命に抗おうとしても…結局は最悪な結末になる。

俺の大好きな奴は俺の陽炎のようなアイツに奪われていく。

いや陽炎じゃなくてアイツの言う通り、この世界が狩屋を殺しているというのなら…

―――俺はこの世界を憎んで、恨んで、呪ってやりたい。

でもそんな事したって無駄だって事は分かってるさ。

けどな…俺は絶対狩屋を助けたいんだ。この先もアイツと一緒にいる為に。

だから…愚かな俺を許してくれ、狩屋。

狩屋「も〜！霧野先輩遅すぎですよ〜！」

霧野「おう、悪い」

俺はまたやり直して、狩屋が死ぬ前の時間に戻った。

このままいけば…狩屋は逃げ出す猫を追いかけて、トラックにはねられて死ぬ。

それがアイツの運命なのだとしたら…そんなの俺がぶっ壊してやればいいだけだ。

狩屋「あ！野良猫だ！」

狩屋の足に顔を摺り寄せる野良猫。それを見て笑みを浮かべる狩屋。

この光景も何回見てきただろうか…。

狩屋「霧野先輩〜やっぱ猫って可愛いですよね〜」

霧野「ああそうだな」

その時…前と同じように野良猫が俺たちから離れていく。

狩屋「あッ！ちょっと待てよ〜！」

その猫を追いかけるべく走り出す狩屋。

そう…この後に悲劇は起こってしまう。だから…俺は風の如く走り出した。

遠くで赤に輝く信号を見据えると、横断歩道へとあの大型トラックが走ってきた。

野良猫に夢中で狩屋は大型トラックが迫ってきている事に気づいていない。

ここまでは今まで通り。ここで狩屋がトラックにはねられる、それが筋書き。

でもそんなの俺がぶっ壊す！

俺はそのままのスピードで狩屋を抜かすと、くるっと回転して狩屋を思いきり歩道の方へと突き飛ばした。

霧野「……じゃあな狩屋」

狩屋「霧野……先輩……？」

次の瞬間、凄まじい衝突音とトラックのブレーキ音が響き渡った。

俺はトラックにはねられ宙を舞い、地面へ情けなく落ちていった。

辺りには俺の血が飛び散り赤く変色していた。

？「ッ！？何勝手な事してんだよ！？」

俺の陽炎が想定外の行動をとった俺に激怒している。

霧野「ざまあみろ」

そんなアイツに俺はそう吐き捨てたのだった。

あ…やべ…もう限界だ…。俺はそのまま眠りについた。

狩屋「こんなの……俺が願った事じゃない！」

days5〜狩屋の願い〜→←days3〜続く悲劇〜

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