シニガミ様の仰せのままに。

story16 ページ20

円堂「よっし！一人目の魂、回収完了！……おーい！紅桜、ちゃんと見てたかー？」

輝かしい笑顔の円堂先輩が、こちらへと手を振りながら寄ってくる。

A「はい！全部バッチリ見てました！……お陰様で、この仕事の重みと大切さを体感しました」

円堂「おーそうかそうか！」

そう言うと、円堂さんは僕の頭をぐしゃぐしゃに撫でる。

髪は少しぼさっとなってしまったけど、彼なりの心遣いに嬉しいと思う自分がいた。

豪炎寺「ん？……この近くに別の魂がいるな。よし紅桜、その魂をお前が回収しろ」

A「はい！……て？ゑゑゑゑゑゑゑッ！？」

風丸「おお、紅桜のデビュー戦か！頑張れよ！」

幽「フレッフレッAっち！」

つい頭ナデナデが嬉しすぎて、全く話が入ってこなかったんだけど！？

てか、いきなり魂回収すんの！？まだ僕新人ですよ！？しかも一日目！

無理です！と反論しようとしたのだが、豪炎寺先輩に捕まり強制的にやる事になった。



豪炎寺「あれが今回のターゲット。名前は朱音美代、８５歳。家にて、静かに息を引き取る。死因は老衰。……あの魂を紅桜が狩るんだ」

A「うぅ……！」

僕たちの見つめる先には、僕が狩る予定の魂であるお婆さん―――朱音美代さんが小鳥たちと戯れていた。

ああ、心臓が不自然な鼓動を奏でている。

今、猛烈に緊張しているんだ僕。

A「不安だ不安だ不安だ不安だ不安だ不安だ不安だ不安だ不安だ不安だ……！！」

幽「ちょっとォ？カチカチになってるよ、Aっち？」

そう言われても、僕は先日から死神になったばかりなのだから、仕方ないだろう。

所謂『死神見習い』みたいなものだし、そこは分かってほしい。

円堂「紅桜は初めてだもんなー？仕方ないよ」

救世主ktkr！！ああ、ありがたや！！

円堂「でもやんないとだから……とりあえず行ってこい☆」

A「ダニィ！？」←

救世主かと思ってた円堂先輩に、思いきり背中を押された。

意外と痛いし、結構強引だったよ！？

朱音「あら……そこのお嬢さん、どうしたの？」

あ……＼＾O＾／オワタ

押されて飛び出したせいで、朱音さんに見つかってしまった。

しかも、心配されて声もかけられてしまった。

恥ずかしさで体が震えながら後ろを振り返る。

そこにはGJをしている円堂先輩と、その後ろで必死に笑いを堪えている豪炎寺先輩と風丸先輩、そしていつも通りのニコニコ顔をする幽がいた。

ちょ、アンタらなああああああああ！？

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