SCENE１ その２ ページ4
手を口に当て、優雅に微笑むクイーン。いつもなら、その真価が発揮されない絶世の美が、オーラのようにクイーンをつつむ。
そして、白い口紅で色を消した唇がひらいた。
どうせ、まともなことを言わないのだと分かっていても、つい聞きたくなってくるジョーカーとRDは苦笑する。
「この舞踏会はダンスのコンテストのようなもの。」
一度口を開けば、場の空気は一変し、この美貌の怪盗に支配される。
「そして、この伝統ある舞踏会には、一番美しく舞えた者のみが見ることを許される、この一族に代々伝わる秘宝が用意されているんだ。
審査員はその一族、すべての招待客さ。……でも、ここ30年、一人として秘宝を見ることが出来た者はいない。さらに審査の決め手になるのは、その一族。一族の3分の2が認めなければ、秘宝を見ることは叶わないんだよ。
……ねえ。変だと思わないかい？この舞踏会には社交界中が注目していて、大勢のマスコミもやってくる。スポンサーだって沢山ついているんだ。当然、芸能界に入れるような人物が見つかる可能性だってあるんだよ。なのに30年間、一人も優勝したものはいない……。」
「……よくそこまで一人で調べましたね。」
［よっぽど舞踏会に出たかったんでしょうね。］
あまりにも冷たい二人の言葉に、心が折れそうになるクイーン。
「ちょ〜っと待った！ジョーカーくんにRD！！まだわたしの話は終わってない！」
「何が言いたいのですか、クイーン？」
「……っ、つまり……」
「つまり？」
とても冷たい声で尋ねるジョーカー。
クイーンの背筋がゾクっとする。
「つまり、今回の仕事は楽しくなりそうだね、ってことさ！」
トルバドゥールの船室を、束の間の沈黙が覆う。
「ジョーカー、今クイーンは仕事と言いましたか？」
「どうやら、そのようだね。」
感動するジョーカーとRD。
結局、クイーンは舞踏会に出ることになった。
ジョーカーとRDの協力のもと、準備は滞りなく進んだ。
ただひとつ、クイーンが変装する人物の決定を除いては……。
それもまた、クイーンの思い通りになったが……。
その人物は女性。
その人物の名は、アンジェリク・フォン・ペリゴール……。
SCENE 2 "出会い" is happening!? その１→←SCENE １ "お楽しみ" is nonsense?! その１
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ペンギン - 面白い！ (2021年3月12日 18時) (
レス) id: c1bf0f2153 (このIDを非表示/違反報告)
queenssapphire(プロフ) - ありがとうございます！！ (2018年1月15日 9時) (レス) id: 0482909ee0 (このIDを非表示/違反報告)
月読命 - queenssapphireさん» 文章が洗練されてて読みやすいです…! これからも頑張ってください！ (2018年1月4日 20時) (レス) id: 3990fcd378 (このIDを非表示/違反報告)
queenssapphire(プロフ) - コメント欄が楽しいです( ´ ▽ ` ) (2017年11月19日 22時) (レス) id: 8d67e18895 (このIDを非表示/違反報告)
queenssapphire(プロフ) - ありがとうございます！そう言って頂けると嬉しいです！キャラの名前を変えられない仕様なので、実質夢小説ではないのですが……ゴメンナサイ (2017年11月19日 22時) (レス) id: 8d67e18895 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クイーンズサファイア | 作成日時：2016年8月27日 12時
