お気に召すまま 〜キスの夜の夢〜

act 17 ページ17

タマーガレットside

あの後何度も口付けを交わし…そして…
ミヤターニオってあんな激しい男だったんだ…

見た目とは全然違うワイルドな雄の本性を見せられドキ.ドキしたけど、私だけに見せる顔なら嬉しい…

と、彼の寝顔を見つめていると、なにやら物音が…


『フジナート様、本当に大丈夫…ああっ！あなたは！』

『ヒーロー！逃げろっ！…って、え？そこにいるのは…ミヤターニオ？』

『ホントだ！ミヤターニオ起きろっ！』

『ちょっと二カーディオ！彼女がビックリしてるじゃないの！…大丈夫？』


いきなり四人も現れて軽くパニックに…
私、ホントはすごい人見知りだから。
でもあの二人は…思い出した…
魔法に掛けられてた時に追いかけた人たち…あら？ヒーロー？あなた…


「あなた女の人だったのね。さっきは本当にごめんなさい…私…」

『タマーガレットを責めないでくれ！…全て俺のせいなんだ！』


騒ぎで目を覚ましたミヤターニオが私をかばって今までの経緯をみんなに説明した。
四人は驚いた様子だったが、ミヤターニオの話しを聞き終わると、その中の一人が私に話しかけた。


『タマーガレット、と呼んでもよろしくて？私はケントリス。この森で出会ったのも何かの縁、ミヤターニオと一緒に私の屋敷に来てくださらない？』

「でも、私…」

『私たち四人は今から愛の為に闘うの。だから一人でも多くの仲間が必要なのよ。ね、お願い…』


仲間…？私が…？
今まで友と呼べるような人は一人もいなかった私に…仲間が…

隣にいるヒーローも続けた。


『タマーガレット…仲直りしましょうよ。だって、私たち姉妹になるんだから…』

姉妹…私にこんな素敵なお姉さんが…
私は涙を堪えて言った。


「しょ、しょうがないわねー。ミヤターニオの知り合いがみんなそう言うなら行ってあげる…」



………



ワタールside

何とかまとまってよかった…
カメナシーノと朝食を食べながら、魔法の鏡で六人の様子を確認してホッと一息つく。


「ありがとう！本当にカメナシーノがいなかったらどうなってたか…て、え？」


鏡から視線を移すと…薬指には銀色に輝く…


『昨日帰ってきたのはこの為でもあったんだ。
これからもずっとこの美味しい朝食を俺の為に作ってほしい。

ワタール、結婚してください』

「カメナシーノ…！朝だけじゃない、昼も夜も美味しい御飯作るから！」


そしたらカメナシーノは一番のご馳走はワタールさって、甘い口付けをくれたんだ…

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