お気に召すまま 〜キスの夜の夢〜

act 16 ページ16

ケントリスside

…肌寒さで目を覚ますと、もう夜明けがそこまで来ている。

そして隣には愛する二カーディオが…
あっ、やだ…私たち…裸のまま寝ちゃったんだわ…

風邪を引いては大変と、二カーディオに着ていた衣服を掛けた時…自分の胸の膨らみに気が付いた。

私の胸が…！元に戻ってるわ！
念のためにと股間に手を伸ばしてみる。が、さっきまでそこに存在感をアピールしていたモノは、すっかり姿を消していた。


「二カーディオ！起きて！」

『んん…ケントリス…まだ足りないの…？じゃあこっちおいで…』

「やだっ！そうじゃなくて…私の身体が元に戻ったの！二カーディオが男の姿の私でも愛してくれたおかげよ！」


最初寝ぼけまなこだった二カーディオも、身体が元に戻ったと聞くと慌てて飛び起きた。


『ケントリス！…あぁホントだ！よかった…あっ！…』

「ん、どうしたの？」

『え？…いや、ケントリスの身体があまり色っぽくて…勃っちゃった(笑)

今から改めて…と言いたいところだけど…そろそろ屋敷に帰らないとね。きっと大騒ぎになってるはずだから』


「二カーディオ…一緒に屋敷に来てくれるの？」

『もちろんさ！改めてお父上にケントリスを妻にとお願いするつもりだよ』

「二カーディオ…！」


嬉しすぎて思わず涙を零した私を、二カーディオは優しく抱き締めた。


『その代わり…』


二カーディオはいたずらっぽく耳元で囁いた。


『今夜は寝かさないから…』


私は真っ赤になった頬を朝焼けのせいにしながら頷いた。


「一晩中…愛してね…」






ヒーローside

初めて知った女の喜びを噛み締めながら、愛しいフジナート様の寝顔を見つめる…

でも…私たちの事を領主様は許してくださるかしら？
フジナート様…私たちどうなるの…


『…ん、もう朝か…ヒーロー、月夜に照らされた君も美しいが、朝陽の中で輝く君はさらに美しい。

さぁ、これからセンガー領へ急ごう。君とケントリスがいないと大騒ぎだろうからね』

「その事なんだけど…やっぱり私…ムリよ…領主様はきっとお怒りになるわ…」

『ヒーロー、なにを言うんだ！領主様がなんと言おうと私の妻は君しかいない！』


二人のやり取りを聞いていた、ケントリスと二カーディオもやってきた。


『ヒーロー、みんなで闘うのよ！』

『そうだよ！俺たちも諦めない！だから、君もフジナートとの愛を貫くんだ！』

「みんな…そうね！私が間違ってたわ！」



いや〜青春ですなぁ〜！

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