9話 お友達 ページ10
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『えっ?わたくしが、ですか?』
「昨日ロザリアちゃんとオレが撮った写真を見たフォロワーが、本物なのか合成なのか…!?っていう話になって…」
「ここに君を見に来た生徒はいなかったか?」
(私を見にきた生徒?)
脳内に浮かんだのは一目散に逃げていった沢山の生徒さん。
『皆さん挨拶をするなり走り出してしまいましたし、わたくしを見に来た方はいないかと…、そんなにわたくし怖いでしょうか…?』
「うーん、無自覚なのはある意味怖いかも…?見た目はちょーイケイケだから安心して!
みんな女の子に慣れてないだけだし!」
「ははっ、確かにな。絵だとしてもこんなに美人だと、そうなるのも頷ける。」
いけいけ、はよく分からなかったが、文脈的に褒められているのだろうと察した。トレイさんのサラッと出た褒め言葉にも顔が熱くなる。
『そんなに褒められると照れてしまいます…。わたくしは絵なので褒めても何もお出し出来ませんよ?
…ふふっ、お二人はわたくしにもお友達のように気さくにお話してくれるので嬉しいです。』
「何言ってんの〜!オレらもう友達じゃん?こんなに楽しく話してんだからさ!だよねトレイくん!」
「?ああ、そうだな」
トレイさんは隣にいる友人を少し怪しむように横目で見た後、爽やかに微笑んだ。
ケイトさんの笑みには何か含みがあったように思えるが、"友達"という言葉に魅せられ全く気付かなかった。
『お友達…!
エヘ、ヘ…ふふ……あ、コ、コホンッ!本当に……?』
ケイトさんは、頬を手で覆いだらしないであろう顔をしている私を驚いた顔で見ていた。
(浮かれすぎました…引かれてしまいましたかね…?)
「あ……うん!本当本当!!
けーくんとロザリアちゃんはオトモダチ!
あっ、トレイくんもだった」
「おいおい、俺はついでか?」
(良かった…おかしいとは思われなかったみたい)
ごめーん☆と茶化すケイトさんに私が笑いを堪えきれず、それにつられたのかトレイさんとケイトさんも笑った。
そして、そろそろ昼休みが終わる、とお二人は去ったのだが、去り際に"なんでもない日のパーティー"に来ないかと誘われた。
さっぱり意味がわからなかったが、"オトモダチ"の誘いなので反射的にぜひ!と答えてしまった。
2人の姿が見えなくなった後に、自分が絵であること、ここから動けないことに気付くのであった。
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ダイヤのキャンディ
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ななし(プロフ) - プリメロンさん» ありがとうございます!そう言ってもらえるとすごく励みになります…!社畜の身なので頻繁に更新することは叶いませんが、これからも息抜きに書いていきたいと思っております (2021年6月8日 17時) (レス) id: edbe6aadbb (このIDを非表示/違反報告)
プリメロン - ロザリアちゃんが可愛くて大好きです。続きが楽しみです。 (2021年6月8日 13時) (レス) id: b71badc53a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななし | 作成日時:2020年7月12日 6時