転生したら異世界だった件【転スラ】 (ページ21)

今日:12 hit、昨日:7 hit、合計:45,018 hit

19話赤との戦闘ページ21

僕の知りたいことって、もしかして元の世界に戻る方法か？
最古の悪魔なのだから知ってそうでもあるけれど……。
本当に教えてくれるのか？
そう疑問に思いつつ、ギィの動向を探っていると動いた。

「災厄の魔幻爪‼」

っ‼‼‼
受けると即死するであろう爪が迫り、それを咄嗟に避ける。
危なかった……。
力試しするだけじゃなかったのか⁉
するとギィは楽しそうに笑いスラリと剣を抜くと止めどない攻撃が迫り来る。
『闘神』の未来攻撃予測を駆使して攻撃を避ける。
速い。
未来攻撃予測を使っても全てを避けきれない。所々斬られて少し血が出ている。傷自体は瞬間的に治るので今の所なんとかなっているが……。

「オレに剣を抜かせた上に避けきるか。誇っていいぜ」

そう言うと先程よりも更に速い剣が襲う。
ただ避けるだけでは対処しきれなくなってきたので赫子を出して弾いていく。
反撃の機会を伺いながら空間から出した刀と赫子でひたすら防御に徹する。

……っ、そこだぁっ‼
漸く視えたその一瞬に刀を横に全力で薙ぎ払う。
その一閃はその場の地形をごっそり削る。
勢いよく砂埃が舞い、視覚だけでは見れなくなったので魔力感知を制限しないで使う。
ギィは平然としており、見た感じ傷一つ出来てない。

「傷一つもつけれないか……。今のはかなり本気でやったんだけどなっ」

「いいや、少しは掠ったぜ。まだまだ底を見せてくれるんだろう？」

先程の一閃から、次は僕が刀を振る。
ギィは『未来視』の能力があるのだろう。ギリギリの所で斬撃を躱している。
中々攻撃を当てきれないので赫子も使って攻撃を繰り出す。

「はあっ‼」

必死の攻防の末、少し傷を負わせる。
これだけやってもかすり傷程度。僕とこの人とではそれだけ力の差があるという事か。もっと技術を高めてからじゃないと深手は負わせれないだろう。
これじゃあ『闘神』の自動戦闘でも勝つのは無理そうだ。
そう考えると攻撃を止め、停止する。

「僕の負けです。これ以上やっても勝てる見込みは無い」

刀を鞘に納めて『空間収納』する。
ギィはそんな僕の態度を面白くなさそうに見つつ、剣を納めていた。

「もう終わりかよ…………まあ、少しは楽しめたしいいか。実力も図れたことだし今回はここまでとしよう。」

彼はそう言うとまた来ると一言告げて『空間転移』しようとする。
……が、一歩踏み止まり、

「スキルを習得すればお前の望みは叶えられるかもしれないぞ。」

と言い去っていった。