疑念 ページ10
万次郎を助けた稀咲君に視線が集まる中、突然現れたのは圭介だった。彼は持っていた鉄パイプを思い切り振りかざし、躊躇うことなく稀咲君を殴り飛ばす
「…は!?」
訳の分からない状況に、私の口からは思わず声が漏れた。思えば圭介にも、武道君にも今日の抗争について詳しい事は聞けておらず、その上こんな訳の分からない状況に頭が追いついていかない。わかっているのは圭介が東卍を裏切る訳でないということと、今回の抗争で一虎と圭介の2人が死んでしまうということだけ
案外大きな声が出てしまっていたのか、竜胆さんから「バレんぞ」と忠告された私は、少しだけ立ち上げていた体を元に戻した
東卍のために芭流覇羅に移った圭介が稀咲君を狙っているということは、もしかしたら稀咲君は敵なのかもしれない。それに私も、稀咲君が万次郎を助けていた時に違和感を感じていた。下の方にいた武道君の様子が明らかにおかしかったし、万次郎を襲おうとしていた黒マスクの男が本気で殴りかかっているようには見えなかったのだ
考えすぎかもしれないけれど、わざと稀咲君に殴られたように見えなくもなかった
だとすれば、敵は稀咲君…?でも、仮に彼が今回の抗争の裏で糸を引いているとして、何のメリットがあるのかが分からない。自作自演で自分が活躍する場を作り東卍のトップに上り詰めるため?だとするならここまで遠回りなやり方をする必要はない
なにか他に、もっと深い理由があるはず…
しかし一人で悶々と考え込む私を待ってくれる訳もなく、状況はどんどん変わっていく。ワンテンポ遅れて圭介に気付いた稀咲君の部下は彼を殴り飛ばすが、圭介にはあまり効いていないようだ。倒れたもののすぐに立ち上がり、目線の先に真っ直ぐと稀咲君を捉えていた
「…ダメっすよ場地さん!!」
「今ここで稀咲をやったら、本当に東卍の敵になっちまう!」
稀咲をやるなら今じゃない。圭介の前に立ちはだかった千冬はきっとそう言いたいんだと思う。確かになんの確証もないのに先程万次郎を守った稀咲君に手を出すのは良い作戦とは言えない。しかし千冬が喋るばかりで一向に動こうとしないことに痺れを切らしたのか、圭介はイラついたように彼の顔面に容赦なく拳を振るった
「良い気になんなよ千冬」
「俺がお前を側に置いていたのは、喧嘩の腕を買っただけだ」
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雪ん子(プロフ) - 続きもう無いんですか?💦めちゃくちゃ好きなので、もしよかったら続きを出していただけると幸いです! (8月12日 7時) (レス) @page36 id: fa924563b5 (このIDを非表示/違反報告)
アヤメ - Yun yunさん» すごく面白いです!逆ハー…夢主に対する皆の愛…大好きです!!もっとキャラ達と絡んでほしいです!救済も最高です!続きが気になります。更新応援してます! (2023年1月23日 2時) (レス) id: 2cc13cb731 (このIDを非表示/違反報告)
Yun yun(プロフ) - れなさん» 長く放置していたら完結したことになっていたみたいですね、申し訳ないです、、更新させていただきましたので、また楽しんでいただければ幸いです!(^^) (2022年11月27日 14時) (レス) id: 2f139ab8f2 (このIDを非表示/違反報告)
Yun yun(プロフ) - ttakedasaki0906さん» 長らくお待たせして申し訳ございません!作品更新しましたので、楽しんで頂ければ嬉しいです(^^) (2022年11月27日 14時) (レス) id: 2f139ab8f2 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - すごく素敵な作品でとっても大好きです。作品終わりになってますけど、もしよければお時間ある時にでも更新していただけると嬉しいです!続きすごく楽しみにしてます!そしてできれば誰も死なない世界戦でありますように (2022年11月24日 5時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yun yun | 作成日時:2021年11月21日 13時