さびしがり屋 ページ48
チケット売り場に並んで五分後。
私たちはやっと水族館に入ることができた。
中は結構暗め。
でも幻想的な感じがすてきだった。
わぁ！
水族館なんて何年振りだろ。
上杉君も中をきょろきょろしながら隣を歩いている。
ちょっと楽しそうにしている上杉君を見るのは何ヶ月振りだろう。
☆
まず一番最初に出てきたのはクラゲ。
かわいい！
青やピンクの照明に照らされながら自由に泳ぎ回るクラゲはまるでレースのようにきれいだった。
「うわ...俺、クラゲ間近で見たのはじめてかも。」
え？ちっちゃいころに家族で来たりしなかったの？
うちなんかしょっちゅう奈子ことかの付き添いで動物園だの水族館だの行ってたのに。
「俺んち医者だから。あんま家族ででかけたりしねーの。」
そういう上杉君の瞳からはなにも感じられなかった。
あ...
これって上杉君の昔の目だ。
まだあって間もないころ。
完全に私には心を閉じてた時の目。
やっぱり...上杉君はさびしがり屋なんだ。
人一倍、ね。
だから私とでも楽しそうなのかな。
人といるの、嫌がってそうに見えてきっとほんとは一緒にいるの好きなんだ。
うん、きっとそうだ。
過度な期待はしないほうがいい。
☆
私たちが今日来た水族館はとても大きい。
だから１時間弱歩き回ってもまだ全然回りきらない！
しかも上杉君足速いからいつもの倍疲れてる気がする...
そんな私を気遣ってか上杉君がこう言いだした。
「休憩でもするか？」
うん...お願いします。
やってきたのは水族館内にあるレストラン。
はぁ...やっとすわれる！
注文が終わりしばし沈黙が流れる。
「あのさ。」
ん？
「ごめん、俺速かった？」
ちょっとドキッとする。
心読まれてた？
全然大丈夫だよ、そう言おうと思ったんだけど。
これって正直に甘えるべき？
それとも気を使うべき？
昔言われた黒木君の言葉を思い出す。
「女の子なんだから甘えればいいんだよ。」
好きな人にぐらい...甘えてもいい、のかな？
「うん、ちょっと早かったかも。」
上杉君がちょっとびっくりしたようにこっちを見てきたのであわてて言い訳をする。
「ご、ごめんね。わがままで。私もともとあんまり運動しないしそれにっ」
「いや、別に嫌じゃねーからいいんだけど...立花、いつも気ぃ使ってくるから正直に言われてちょっとびっくりしただけ。」
い、嫌じゃない？
「ああ、むしろ甘えられてうれしいっていうか...」
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心結 - 私、上彩大好きなので、このお話とっても面白かったです‼上杉君と彩ちゃんが聴いていた曲の原曲を教えてください‼本当に面白かったです‼これからも面白いお話を書いてください‼ (2022年3月20日 19時) (
レス) @page17 id: 8499dda6bc (このIDを非表示/違反報告)
上杉奏(プロフ) - 夢月さん» あれは私がなんか勝手に作ったものです〜wこんな感じの歌あったらいーなー的な感じでw あ、あとこの話も読んでくださってありがとうございます！コメント嬉しいです〜！ (2018年8月15日 22時) (レス) id: 7c3b5f2f13 (このIDを非表示/違反報告)
夢月 - 曲で出てくる，自分の意思わからないままただ流されてって何の曲の歌詞ですか？ (2018年8月15日 20時) (レス) id: 67f263e71b (このIDを非表示/違反報告)
上杉奏(プロフ) - 杏梨さん» ありがとうございます！不定期ですが頑張ります♪ (2018年1月22日 21時) (レス) id: adb9575f48 (このIDを非表示/違反報告)
杏梨 - 更新楽しみにしています！！ (2018年1月22日 19時) (レス) id: e98c97ccbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：上杉奏 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aishou_kz
作成日時：2017年8月16日 22時
