20話-7 二手 ページ28
悩んでいれば、花京院が小声で言ってくる。
「僕にいい考えがあります、ハーミットパープルの念写で……」
「なるほど、それじゃ！」
「ええ、ですがそれにはまずヤツから離れなければ……。大変ですが、ヤツの相手は承太郎に任せましょう。ポルナレフ、君も一緒に来てくれ」
「あ、ああ！」
「A、君はどうする？」
「……私は残るわ。承太郎ってば放っておけばプッツンして殴り殺しかねないもの」
実際その未遂が二回もあったわけだし、心配だ。
「わかった、じゃあ承太郎の事は頼んだよ。……承太郎！ そいつをジョースターさんに近づけるなッ、そいつからできるだけ遠くへ離れる！」
そう言って三人は走り去る、スタンドの対処は向こうに任せよう。さて、こっちの問題は……。
「ほう、なるほど。遠くへ離れればスタンドの力は消えてしまうと考えての事か……。だがな、物事というのは短所がすなわち長所になる。私のスタンド『
そう言いながら承太郎の方へ振り向くダン。承太郎は別の方向を見ているのが不服だったのか、彼は承太郎の学ランにつかみかかる。
「おい承太郎、おめーに話してんだよ。なにすました顔して視線避けてんだよ、こっち見ろ」
「……てめー、だんだん品が悪くなってきたな。それが地か？」
「ふん、貴様……ジョセフが死ぬまでこの私に付きまとうつもりか？」
「ダンとか言ったな……この“ツケ”は必ず払ってもらうぜ」
ダンは承太郎のそのセリフを聞いてさらにニタニタと嗤う。
「ククク、そういうつもりでつきまとうならもっと借りとくとするか……。財布の中身はあ〜……チッ、なんだこれしか持ってないのか。時計は生意気にタグホイヤーだがな。借りとくぜ……。そっちのテメーも金目のものは頂いておこうか」
「……現金しかないわよ」
財布からとりあえずお金を抜く、もちろん生活費は別で取っておいてあるから今ある有り金を全部盗られたところで何も問題はない。
それをダンに手渡してから、ジョセフさんや花京院の無事を祈りつつ彼を承太郎とともに連れて行くのであった。
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作者名：中条琉乃 | 作成日時：2017年10月10日 22時
