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あたしの生活はいたって単純。
朝起きてPCをして、寝る。
そんな生活を4年も続けていれば、それは立派な習慣だ。

2年前に買った一軒家を十分に活用しないまま、ゆっくりと時は流れる。
最後に家の外に出たのは、何時だっただろうか。


親友と兄が全て・・・ それでいい。
・・・そう、思っていた。

***
ピンポーン、と無機質なチャイムの音が鳴る。
そして直ぐに部屋の鍵を開ける音がした。

A「・・・あぁ、兄貴久しぶり」
玄関へと出れば、久々に会う兄の顔。
美鴇「よっす。相変わらず部屋が綺麗すぎんだろ・・・。もっと部屋は有効に使えよ」
A「悪かったね(笑」
軽く悪態をつきながら兄は外へ向かって手招きをした。
その手には、紙袋。
そして―・・・入ってきたのは赤い髪をした、青年。

A「どうしたん?」
美鴇「ああ、コレ誕生日プレゼントな。ほら、今流行りのボーカロイドってやつ」
A「へー・・・」
兄は隣でぼぅっとしている『ボーカロイド』に笑いかける。
すると彼は、ぺこりとお辞儀をして「有難うございます」と呟いた。

紙袋を受け取り中を見ると、そこには赤いパッケージに黒い文字で『AKAITO』と記されていた。
聞いたこともあるし、某笑顔動画でよく見るし聴く。
ぶっちゃけ、欲しいと思っていた。
ただ、どこのネットショッピングも売り切れ状態だったから買うことはできなかった。

A「へぇ、有難う」
そこまで言うと兄は「仕事があるから」とAKAITOを残しまた外へ出て行ってしまった。

亜種とはいえ、AKAITOはあたしの好きなボカロだ。
兄が行った後、あたしは紙袋からそのパッケージを開き、説明書をめくる。
人ではないとはいえ、パッと見は普通の人に見えるからとても怖い。

A「・・・なぁ」
立ったまま、AKAITOは小さくあたしに話しかけてきた。
A「はっ、ハイ!!?」
思わず素っ頓狂な声をあげてしまい動揺するが、AKAITOは気にする様子もなく静かに言い放った。

A「俺、お前に従う気ねぇから。」
A「え?」


これは、引き籠りと人間不信ロボットの愛(?)と絆の物語。
それはあまりにも儚く、小さな小さな物語。

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設定タグ:VOCALOID , AKAITO , アカイト   
作品ジャンル:アニメ
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アリス(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください♪ (2013年10月22日 8時) (レス) id: b8b69fc9ac (このIDを非表示/違反報告)
∀kai†o - アカイトがイメージ通りの感じでよかったw更新頑張って〜^^ (2013年8月19日 13時) (レス) id: 10ab5bd462 (このIDを非表示/違反報告)
金魚雲 - すごく面白いです!!是非更新してください!! (2012年9月24日 18時) (レス) id: d61cd2f3bf (このIDを非表示/違反報告)
バニラ - 超面白いです!お兄さんの設定で笑いましたww私もAKAITO大好きです!こういう話も好きなんで、更新待ってます♪ちょくちょく覗くので、いつでもコメ返待ってます! (2012年6月27日 19時) (レス) id: ffe64a3395 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緑青 | 作者ホームページ:http://ugomemo.hatena.ne.jp/132DE01051119884@DSi/  
作成日時:2012年3月14日 18時

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