2話:唐突に ページ4
川「着きましたよ」
Aが連れてこられたのは、一見普通のビル。
「ここ・・・ですか」
川「はい、ここがジャニーズ事務所です。では、こちらに」
「どこへ？」
川「社長室ですよ」
川瀬がAを連れてきたのは、そのビルの最上階。
『社長室』とかかれた部屋だった。
川「社長。Aさんをお連れしました」
社「おーー、通して」
「・・・失礼します」
緊張した面持ちで中へ入るA。
川「では、僕はこれで失礼します」
「え・・・」
社長と２人、部屋に残されたAは、戸惑ったような表情で、目の前の人物に目をやった。
「えっと・・・社長さんですか？」
社「そうだよー。ジャニーズ事務所社長のジャニー喜多川です。改めて宜しく」
名刺を手渡されるA。
「よろしくお願いします。・・・あの、何で私がここに連れてこられたんでしょう？」
挨拶もそこそこに、Aが尋ねる。
社「ああ、そのことなんだけど。今から僕についてきてくれない？君の実力を見たい」
怪訝そうな顔をしながらも、「はい、わかりました・・・」と答えるA。
社「あ、A。○って知ってる？？」
「はい・・・というか知らない人いるんですか？(笑)」
社「はは、いるよ。でもAが知ってるなら話が早いよ」
「？？？？」
顔中に？マークを浮かべながら歩くA。
社「入って」
案内されたのは、
「Ｓスタジオ・・・」
社「ジュニアの子達が練習に使うんだ。ちょっと、この曲知ってる？」
流されたのは、○の果てない空。
「あ、はい(笑)知ってます」
社「はい、じゃあ歌って」
いきなりの振り。Aは、ちょっと笑って頷いた。
♪泥まみれの毎日だけど いまさら悩んだりはしない
あきれるほど不器用だけど 心に誓った夢がある
届かない星が瞬いて 触れるようにそっと問いかけた
蘇る希望でこの胸が 満たされるから 追いかけるだけ
果てない空がそこにあるって 今確かな声が聞こえる
飛べない自分をかえていこうか 踏み出して何度でも
やり直そう 力強く
「・・・・どうでしょう？」
社「・・・いいね！！凄くいいよ！」
「ありがとうございます」
社「じゃあ、いこっか」
「えと、どこにですか？」
社「ついてからのお楽しみー」
またもや怪訝そうにしながらも大人しくついていくA。
これが、彼等とAが出会うまでの経緯である。
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作者名：キル・ハーヴェイ | 作成日時：2018年3月14日 13時
