22話:隠された過去、罪の涙 ページ24
驚いた様にAを見つめる2人。
ハ「なんでそれを.....？」
「それ位、わかるよ。○○さんを追って、ここまで来たんだし」
一呼吸おいて、
「○○さんは、どこ？」
その問いに。
ハ「いっ、言わない！お姉さんがどれだけ強くても......私達には闇のチカラが必要なの！」
シ「そうだよ！彼には、ボクらを手伝って貰うんだよ！今キミに言ったら、連れてっちゃうでしょ？」
必死に弁解をする2人を冷たい目で見つめ、
「能力者が能力をなくしたら」
途端、2人の表情が引きつる。
「命も同時に落とすんだってこと、知っててやってるでしょ」
ハ「そ、それは.......」
「それは罪だよ」
静かに発せられる言葉。
「どれだけ貴方達がその力を必要としていても、自分の利益の為に他人の命を奪うことだけは、許されない。しかも、それをわかってやってるなら尚更ね」
シ「ごめんなさい.......」
泣きながら謝る2人に、Aが微笑みかける。
「私が貴方達くらいの頃に、友達が同じ様な事をしたの。自分が弱いから、強くなりたいから.....そう言って、私に頼ってきた」
「その頃の私は、何も知らなかったから.........私は、彼を手伝った。私が、彼を死に追いやったの」
「だから他の誰にも、そんな思いをして欲しくない。ハミル、シウネー.....お願いだから」
いつしかAの頬にも、涙が流れていた。
後ろに佇む美海と紫炎も、俯いている。
ハ「.....分かった。これからは、こういう事はしないよ」
シ「ごめんなさい」
よかった、と呟くA。
ハ「でも.....！その代わり、ひとつだけお願いを聞いてくれない？」
少し、驚いた顔をみせるA。
「うん、いいよ。何？」
ハ「私たちを、お姉さんの仲間に入れて欲しいの」
シ「協力、できる事はするから」
ハシ「「お願いします」」
深く、頭をさげる。困った様な表情で考え込んでいたAが、何かを思いついたのか顔を上げる。
「私1人の判断じゃ出来ないから。あとの5人は説得してあげる。だからとりあえず、○○さんを返して？そしたら一緒に行こう」
ぱっと顔を輝かせた2人。
ハ「ありがとう！えっと....シウネー」
シ「りょーかいっ！シルフ、ちょっと手伝って！」
シウネーの声と共に、一陣の風。
「............○○さん！」
風の精霊〈シルフ〉によって張られていた結界が解かれ、中に倒れている○○を視認したAが走り寄る。
「良かった..........」
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作者名：キル・ハーヴェイ | 作成日時：2018年3月14日 13時
