1話:非日常 ページ3
アビリティスクール中等部３年、AA。
能力を発動していない時のAは、大きな二重まぶたに漆黒の瞳。
そして、艶やかな黒髪。
その美貌から、スクール内ではアイドル的存在。
ただ、本人は全くの自覚なし・・・。
その鈍感さには、親友である胡桃や千尋もあきれるほど。
下校中でも、健在。
「胡桃ー」
胡桃「何？(笑)いきなり」
「さっきからさ、あの男の子達からすっごい視線感じるんだけど。・・・私、なんかした？」
胡桃「・・・・・・気にしなくて、いいと思うよ・・・・」
唖然とする胡桃。それを横目に見て、「そお？」とつぶやき歩き始めるA。
これが、彼女達の日常。
・・・・だった。
？「すみません」
「？・・・はい。どちら様でしょうか？」
？「ジャニーズ事務所、広報・営業担当の川瀬と申します。いまお時間宜しいでしょうか？」
「あー、はい。私だけですか？友達がいるので」
川「はい。Aさんのみと承っておりますので」
「わかりました。少しお待ち下さい」
小走りで胡桃のところへ戻るA。
「胡桃！ごめん先帰ってくれない？？」
胡桃「わかったー。じゃね！」
「うん、また明日！」
手を振って胡桃と別れたAに、川瀬が話しかける。
川「もしよければ、事務所のほうに来ていただけますでしょうか」
そういって車のドアをあける。
「わかりました。・・・川瀬さんも、何故私を呼ぶのかわかってらっしゃらないんですね」
少し驚いた表情をみせる川瀬。
しかし、Aの瞳が白銀に染まっているのをみて苦笑を浮かべる。
川「・・・世界最強の能力を、こんなことで使うべきではありませんよ」
その言葉に、今度はAが苦笑し、「確かに」とつぶやく。
そこからは２人とも無言。
事務所までの道程を、一台の車が走っていった。
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作者名：キル・ハーヴェイ | 作成日時：2018年3月14日 13時
