仕方ないよ、喰種だもん。Ⅱ (ページ6)

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「……はぁぁ…あ〜…」

「おつかれっす」

「あんがと…」

パソコンと向き合って数時間。
チエさんの情報を元に、彼女に手伝ってもらいながら色々探していた結果、なんとか現在の嘉納の情報を掴んだ。

ことり、と国見が珈琲を入れてくれる。
少し色のくすんだ角砂糖を5つ投げ入れクルクルまわす。

「いれすぎじゃないっすか」

国見は目を丸くした。身体を悪くしますよ。とも言った。

「今は脳に直接糖をぶち込みたい気分だから、余計だな。」

脳みそをフル回転させたお陰で、眠気と疲れに襲われた。
しかし、嘉納の足を掴んだからと言って、そのまま寝てしまうわけにはいかない。

一刻も早く岩泉さんの手術を行わなければ。

ここの死体安置所はかなり設備がよく、
及川さんもまだ新鮮な身体を保っている。

しかし、限りがあるのは確か。
時は一刻を争う。

たしかに私は焦っていた。

「…そういえば…岩泉さんは…？」

「…死体安置所に」

「そっか…」

……

このまま嘉納と繋がらずにいたら

彼は喰種の道を歩まず、人の道を歩むのだろうか。

喰種の道は茨の道。

彼はそれを歩む勇気はあるのだろうか。

まだ…まだ、遅くない…。

「…国見」

「はい」

「岩泉さんに、喰種になってほしい？」

唐突なその質問に、彼は声を詰まらせた。
動揺が見て取れる。

「…おれは…」