本物の鬼は何方 ページ22
敦と芥川が言い合いをしているのが聞こえ、Aと太宰が溜息をついた。
「やれやれ…
芥川君の独走癖は相変わらずだなぁ
…仕方ない」
太宰は敦に向かって声を上げた。
『うわ、真逆』
その横でAは、虫を見るような目で太宰を見た。
「敦くん、彼に
先に進もう」
《ですが…》
「大丈夫、私の云う通りにすれば逃げられるよ
先ず、芥川君に私から話があると伝えてくれたまえ
そして、このインカムを遠くへ投げるんだ
彼は必ずこれに食いつく
その間に君は先へ進め」
『鬼だ、この人…』
《判りました》
敦がインカムを投げた所で太宰は通信を切った。
それも笑顔で。
『…可哀想龍ちゃん………ふふ』
あまりにも可哀想で、寧ろ笑いが込み上げてきたAは自己の口を抑える。
「…Aも相当鬼だよ」
その様子を見て呟いた太宰。
.
敦とのインカムはもう既に使えなくなってしまったが、Aと太宰は別のある場所に通信を繋げる。
「やあ鏡花ちゃん、聞こえるかい？
太宰だ、隣にAも居る
特務課と交渉をしてね、取り敢えず君を地上に下ろせる事になった
その無人機の操縦方法を教えるよ」
暫く向こうから鏡花の声が聞こえなかったが、ようやく聞こえた声は消えそうな、そしてどこか諦めた様な声が聞こえてきた。
《………もういい……》
太宰が顔と声を暗くして云った。
「………本当の事を云うとね、探偵社には君を救助する理由が無いのだよ
何故なら君は、まだ正式な社員ではないからだ
探偵社には入社試験があり、君は未だそれを
探偵社員として見知らぬ人でも助ける心と強さを持っているか、験す試験だ」
《……私はきっとその試験には……》
Aが口元を歪めた。
「…気に入らないな」
太宰とAの頭の中に“彼”の姿が浮かぶ。
「“元殺し屋に善人になる資格は無い”
君は本気でそう思っているのか？」
《…………》
「鏡花ちゃん」
太宰が『Lupin』と書かれた小さな木箱を見て言った。
「人には向き不向きがある
そして君には明らかな殺しの才能がある
だから君は探偵社員にはなれない
君はそう思っている
全く
その考えが如何に根拠薄弱か、一秒で証明してみせよう
鏡花ちゃん、君はその手で何人殺した？」
《………35人》
「たかが35人くらい何だ？」
鏡花が息を呑んだのがAには判った。
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かなこ - 中也❤愛してるぅ (2021年11月19日 14時) (
レス) @page3 id: 84f9a9af20 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - RENKAさん» 本当ですか！！めっちゃ嬉しいです〜♡ありがとうございます！今後ともよろしくお願いします♡ (2021年11月7日 14時) (レス) id: 008ae2747a (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - 最初から見させていただいてます！読みやすくて面白くて最高です！ (2021年11月7日 1時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - あいでっとさん» コメントありがとうございます！シリーズ3の話がいっぱいになりましたらこちらに移行しますね！もう少しシリーズ3をお楽しみ下さいませ！ (2021年8月23日 17時) (レス) id: 008ae2747a (このIDを非表示/違反報告)
あいでっと(プロフ) - 早く見たい…← (2021年8月23日 17時) (レス) id: 81182bc18e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：myu | 作成日時：2021年8月23日 13時
