おしえてせんせい

Q13.寝たふりばれてますか？ ページ13

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学園祭、うちらのクラスはホラー映画の上映会に決まった。たまにスタッフが霧吹きで水かけてビビらせたり、椅子を揺らして脅かすエセ４ＤＸ。

みんながクラスの飾り付けにいそしむ中、文化祭実行委員のわたしは、金澤先生の車でＤＶＤを借りに行くことになった。この頃には、先生とわたしが出来てるんじゃないかって生徒たちは噂してて、もうひとりの実行委員の子は別の仕事があるから、２人で行ってきなよってニヤニヤしながら手を振っていた。

「先生、わたしたち出来てるって噂なんだって」
「噂じゃないじゃん」
「先生は他の先生に怒られたりしないの？」
「からかわれるけど、特に問題ないよ」

夏ぶりに先生の車に乗り込む。初めてのときより、なんだか先生の車に慣れた自分がいた。たったの２回目なのに。

「でも、先生と文化祭回りたかった」
「それは流石にまずいなぁ」
「隣のクラスね、カップルフォトの飾りたくさんやってたよ！相合傘とか、彼女＋彼氏イコールハートみたいなやつ」
「なんじゃそれ」
「わかんないかぁ、今時じゃないなぁ」

近くのショッピングモールについて、ホラー映画を２本レンタルした後は、100均で追加の飾り付けやマッキーを買った。先生と、ちょっとしたお買い物デートみたい。

先生は、最後ご褒美にクレープを買ってくれた。アイス入りのやつにしていい？って言ったら、いいよって笑ってた。

「一口食べる？」
「食べる」
「あーん」

スーツと制服の男女が、このやりとりをモール内で繰り広げるのは些か危険ではあるが、そのスリルを楽しんでいるのって、もしかしてわたしだけじゃない？

荷物を持って車に乗り込んだとき、先生がゆびきりを求めてきた。わたしたちの、すきの合図。十数秒、見つめ合いながらゆびきりをすると、よし、と先生は前を向き直した。先生なりに切り替えたのかな。

車に揺られながら、わたし少しうとうとしていると、先生が寝てていいよって言った。お言葉に甘えて目をつぶる。このまま、先生がキスしてくれたらいいのに。…って、この前からわたし、はやく先生と一線を越えたくて、キスばっかせがんでる。先生にも言われたけど。

赤信号のたびに、先生は寝きれないわたしの頬や、唇や、髪に触れた。顔が暑いから、起きてるのは絶対バレてる。
もっと、触ってほしい。このまま、学校につかなかったらいいのに。そう願った。


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