19(JHside) ページ19
.
(JHside)
体育の授業に出るのは久しぶりだった。体育というか、ほとんど今は保健室登校みたいなもんだから、みんなに混じった授業自体が久しぶり。化学や家庭科やら、実験とか道具が必要なものは教室でやることもあるけれど、放課後の生徒がいない状態でだから、なんだか賑やかなこの空気が落ち着かない。
隠しているつもりなのかもしれないが、見られている人間はどうにも気づいてしまうもので、先程から突き刺さってくるような視線たちに早くもうんざりしてしまっていた。
「大丈夫なのか？授業でんの」
「まぁ、聞いたら先生もたまにはその方がいいだろって。最近ずっと出てなかったし、突然だから、多分そんなに集まんないだろうって言ってくれてさぁ〜」
「…ま、だといいけど」
スンチョラはボールをくるくる回して、なんだか不満そうだった。おいおいなんでお前の方がそんな顔してんだよって、ちょっと言いたくなる。俺は別に、仕方ないと思ってるよ。お前たちがいるから、学校も楽しいまま来れてるし。
でもそう言うのもなんだか、スンチョラたちが複雑な顔をするのが分かっているので、上手く言葉にできない。
だからいつもなんでもない顔をして、てきとうな話にすり替えてしまう。
「じゃあさ、なにか賭けようぜ」
「あ〜〜明日の昼ごはんとか？」
「そうそう、俺の久しぶりの体育なんだからさ〜付き合ってよ」
「なになに、何の話？」
「シュア、今昼ごはん賭けようってスンチョラと話してたの」
「お、いいじゃん。一番点入れた人でいい？」
賭けにのってきたシュアと肩を組んで、片手で軽くドリブルをつく。てきとうな相槌を打って話を合わせながら、視線だけネットの向こうへ投げた。
ぱちりとAと目が合って、ずっと見てたと思われるのが嫌で、なんでもない振りをして視線をそらしては、また追いかけた。でも一方のAはずっと俺の方を見つめていて、列が進んでいるのにも気づいていないので、「前、前」と指をさしてジェスチャーを送る。
するとようやくAは気づいたみたいで、慌ててゴールに近づくと、リングに掠ることもなくシュートを外す。思わず吹き出して笑っていると、怒ったような顔で睨み返してきた。そんな顔が可愛くて、ついついちょっかいを送るのをやめられない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1183人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
。(プロフ) - クマ！さん» そう言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです…！！続きも楽しんで頂けるよう頑張ります！ありがとうございます🥰 (2022年9月29日 3時) (
レス) id: 54815ccb82 (このIDを非表示/違反報告)
クマ！(プロフ) - このお話凄く好きです(๑˃̵ᴗ˂̵) 更新楽しみにしてます😆！ (2022年9月28日 23時) (レス) @page28 id: d3bc43a704 (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - 凌さん» すみません、確認不足でした💦 ご指摘ありがとうございます！助かりました！！ (2022年8月15日 10時) (レス) id: 54815ccb82 (このIDを非表示/違反報告)
凌(プロフ) - お-リ-ふ-ラ外しましょう (2022年8月15日 8時) (レス) id: 10600dccf7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：。 | 作成日時：2022年8月14日 2時
