やるときゃやるけどやれない時はやれない子 ページ19
呪力の扱い方、自分の術式
自分の中で何かがはち切れる感覚と共に
その情報が体に流れ込んできた
筋肉、血流、それらの存在感を増すことにより、強烈な力をひねり出す
ボクの術式は至って簡単だったのだ
《存在感の強化》それが、ボクの術式
『……ッ、やっぱり…1回じゃ治しきれない…』
順平の額に薄らと残る煙草の跡
人間の持つ治癒力の力を強化することによりある程度の怪我は治せる
きっと極めたら手足をくっつけるなんて容易いのだろうが
つい先程呪力を使えるようになったボクにとってそれは困難だ
その上初めて術式を行使したせいか、体が酷く重い
「な、泣かないでAくん、僕は大丈夫だからさ、ほら」
『大丈夫じゃなぃ、ボクが変に手を出したせいで、順平が…君が…』
「本当に大丈夫だよ、ううん…困ったな…」
泣けば泣くだけ疲れるというのに、涙は止まらない
罪悪感、そんなものを抱くくらいなら最初から守ってやれよ、守れたはずだろ
そう過去の自分を呪った
そんな時だった、背中に手が回される感覚とともに
人の体温、鼓動を服越しに感じる
華奢な手がボクの髪を撫でると同時に、静かな声が耳元に聞こえた
ボクの顔をそっと自分の肩に乗せるように引き寄せて、優しく背中を撫でてくれているのは
目の前にいる彼以外の誰でもない
「僕、Aくんの事をちょっと勘違いしてたよ…強くて、大人っぽくて、でもちゃんと高校生で…僕とは違う、キラキラした存在だと思ってた」
髪を撫でる彼の手の心地良さと暖かさで少しずつ涙が緩やかに止まってゆく
彼はそのまま、語りかけるように言葉を続けた
「でも…違った、いや、正確にはもっと他にも気づくべきことがあったんだ。Aくんは強いけどそれ以上に繊細で、大人っぽいのは強がりで、高校生らしいのが本心で、ただの柊Aなんだ」
『……ボク、かっこ悪い?』
「全然、むしろ凄くかっこいいよ。殴られるってわかっても息を切らして走ってきてくれた、僕が声を上げたら助けてくれた。僕にとって君はヒーローみたいにかっこいいよ」
君が初めて助けてくれたんだ、彼はそう言ってボクの背中をポンポンと叩く
止まりかけてた涙は別の意味でまた溢れ出し、嗚咽が漏れそうになる
きっと彼はまた困ったような、くしゃっと眉を下げた笑みを浮かべているのだろう
そんな彼を、ボクはやっぱり守りたい
もう、傷つけたくない
そう思いながら、ボクの意識は闇に落ちた
ひとまず一件落着でOK??→←例えば突然魔法使いが現れるような物語
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紅丸(プロフ) - つなまよT2(旧ちょこばなな)さん» ひぇ、マジで来ていらっしゃるこんな駄作読みに来てくれてありがとぅぅぅ (2021年7月27日 23時) (レス) id: e4c9b10277 (このIDを非表示/違反報告)
つなまよT2(旧ちょこばなな)(プロフ) - ななちゃん好き!!!!こ○はだよ!! (2021年7月24日 21時) (レス) id: b8726aa5c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - 好きです…←← (2021年5月5日 1時) (レス) id: ce721a0333 (このIDを非表示/違反報告)
おしゃけ - このような神作を作って下さってありがとうございます。愛してm(((すみません、きもかったす。 (2021年3月9日 22時) (レス) id: 926e830632 (このIDを非表示/違反報告)
紅丸(プロフ) - フーパさん» ガチ勢だからこそ出来る至難の業ですね……() (2021年3月2日 4時) (レス) id: c6adbfb1eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅丸 | 作成日時:2021年2月26日 20時