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崇に抱えられ
連れていかれるハルヒを見て私は息を吐き出した
「よかっ_______ 」
「「ないよ」」
ばしっと、躊躇いなく私の肩を叩くのは光君と馨君だ
「いったいわー」
振り返りながら彼等を見上げれば
「ねえ女子叩くのは良くないと思いますけどー」
「「バカなの???」」
思った以上に表情の固い二人がいた。
そういえば彼等も坊っちゃんだったな、と思い直して首をかしげる
「えぇーなに〜?光君と馨君も、怖くなっちゃったのか_____ 」
と、言いきる前に、がしっと肩を掴まれ、引き寄せられた
「う゛ゎ」
「あのねえ!こんな顔に傷作っといてお前マジでバカだよ」
「てか、お前も殿と絶交できるレベルのことしてるからね」
至近距離まで顔を寄せられ、口許の血と、目の上を拭われる
なんだなんだ、と思いながら引き下がろうとすれば
ズキ、と傷んだ左目の上に思わず
「ん゛?!めっちゃ痛いんだけど?!」
なんて言いながら、
目の上を拭う光君の手を掴めば
「そりゃ切れてるからね!!」
「ええ?!まじで!?」
「マジだよ!!」
知らなかった、と呟いて抵抗を止めた。
そりゃ姫も泣くわな。
顔2ヶ所から血がポタポタしてたら、心配してくれるよねお嬢様だもん
怖がらせちゃったな
と少し反省しながら目を開けば、光君と目が合う
「……Aはなんで勝ったの?」
唐突の質問に私は顔をしかめた
「なにそれ、負ければよかったってこと?」
ひねくれた返しに、光君はぐい、と傷元の手を強めた
「違うよ!喧嘩、慣れてんのかって意味」
「あーね」
目元と口元の圧迫感が消え、頬に触れれば少し腫れてるのが分かった。
不覚にも2発分くらいくらったからなあ
「別に何もないけどさ、……光君と馨君喧嘩とかしたことある?」
「喧嘩?喧嘩って」
「口喧嘩じゃなくて、もっとこう、過激な……」
庶民は結構あるのだよ?
そりゃ毎日って訳ではないけど、割りと頻繁に衝突ぐらいある。
「「ないけど…」」
「じゃあその違いだよ」
頬の痛さが響き始めて私はう゛ーん?と唸り
「それよりさ」
あまりの不甲斐なさに笑いながら
「私も医者んとこ行っていい?」
「「早く行け!」」
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ヒソク(プロフ) - 占ツクは普段あまり開かないんですがこの作品が好きすぎて定期的に見に来てます( ˘ω˘ ) (2020年8月5日 21時) (レス) id: 0e1031415e (このIDを非表示/違反報告)
れな - はやくみたい、明日もおねがいしやす (2020年4月18日 3時) (レス) id: ebfb4b5959 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - 続き楽しみにしてますー!落ちとか気になってドキドキです! (2020年4月6日 5時) (レス) id: 71414e5053 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - おもしろくて一気読みしちゃいました!続きが気になって仕方ありません!誰オチになるのでしょうか…ワクワクドキドキ!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年4月1日 21時) (レス) id: 3d109989cb (このIDを非表示/違反報告)
ネジ - いつも楽しく読ませて頂いてます!これからも頑張ってください! (2020年4月1日 5時) (レス) id: 71414e5053 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゅういち | 作成日時:2020年3月6日 15時