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「廃部って……そんなに簡単にできるもんなんですか?」
Aはそんな純粋な疑問を鏡夜に投げ掛ける
そうすれば、鏡夜は一度Aを見返し、いつも通りつらつらと
「できない事もないんじゃないか?」
あっさりとした答えにAは意外そうにするが、
その言葉にはちゃんと続きがあって
「ああ、もちろん
『
「あーナルホドー」
怖い笑顔にAは目を逸らしながら頷く
つまり、ただの部活ならまだしも
ホスト部を廃部に追い込むにはこの人を潰さなきゃいけないわけで
「じゃあ無理ですねぇ」
底知れぬ鏡夜の揚げ足をとるのは、正直無理だ、無謀だ。
直ぐにでた答えに、Aは躊躇い無く息を吐き出した。
「なんか、そう言えちゃう鳳先輩は改めてコワイと思いましたよ」
「お褒めにあずかり光栄だ」
痛くも痒くもなさそうなその表情はやはりコワイと思うAである。
そんな中で環と雛子が向こうでは何かやりあっている。
……いや、一方的に環が雛子にやられているのだが
「石蕗ちゃん強いなァ」
もったいないことに珈琲をひっくり返し、環に攻撃している。
_____食べ物、飲み物は粗末にしても良いのか?
甚だまっとうな疑問と、
そうであればそこは賛同できないな。
そんな事を考えつつ
ぼへっとしてるAに、今度は鏡夜が「ふむ」と
「お前は環や双子の行動には過敏に反応する割りに、アレはいいのか?」
鏡夜が軽く顎で示す先には、紅緒の胸に抱き寄せられるハルヒがいて
「……あー、」
環や光、馨が同じことをやったら、お前は怒るだろ?
ハニー先輩やモリ先輩には怒鳴らないのに。
言われずとも伝わるそれに、
Aはふらり、と一度視線をさ迷わせて、首を傾げる。
そして、苦笑いしながら鏡夜を見上げて
「まあ、そうですねぇ」
苦笑いに混ざって少し『弱ったなぁ』とでも言うように、困惑も混ざったように
「……私はまだ、ハルヒの隣に無条件に居座ってたいんですよねぇ」
だから、ハルヒの事を『乙女』としか呼ばない彼女らには、別に
「でもハルヒの『友好関係』を潰したい訳じゃあないですから」
だって私、ハルヒのこと好きですから。
そこだけはいつだって揺らがないAである。
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ヒソク(プロフ) - 占ツクは普段あまり開かないんですがこの作品が好きすぎて定期的に見に来てます( ˘ω˘ ) (2020年8月5日 21時) (レス) id: 0e1031415e (このIDを非表示/違反報告)
れな - はやくみたい、明日もおねがいしやす (2020年4月18日 3時) (レス) id: ebfb4b5959 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - 続き楽しみにしてますー!落ちとか気になってドキドキです! (2020年4月6日 5時) (レス) id: 71414e5053 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - おもしろくて一気読みしちゃいました!続きが気になって仕方ありません!誰オチになるのでしょうか…ワクワクドキドキ!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年4月1日 21時) (レス) id: 3d109989cb (このIDを非表示/違反報告)
ネジ - いつも楽しく読ませて頂いてます!これからも頑張ってください! (2020年4月1日 5時) (レス) id: 71414e5053 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゅういち | 作成日時:2020年3月6日 15時