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「アトデ ウメアワセ スル オオトリ センパイ ウメアワセ スル ワタシ マダ シニタクナイ ウメアワセ コワイ………」
「A…やっぱ変なところ殴られたんじゃないの?」
窓の外ではピカリと稲光が走る。
しかし、そんな事よりもAは恐怖している事があって。
まあ自業自得なのだけど。
小刻みに震えながら廊下を歩くAの隣を 光は怪訝そうな表情を浮かべつつ、見下ろしていた。
光は軽く息を吐き出しながら思う。
鏡夜の良い笑顔を直で見たうえに、あんな事を言われちゃあ、確かに震える理由は分かる。
まあ、多少の同情もする。
んでも、ちょっとこの震えるAは面白いから放置のままでいいか。
そして、なぜかカタコトと喋るAに、話題を振り始めた。
.
.
.
という二人の背中を他4人は見ながら歩いていた。
_______いや、実際のところ あのAを相手にするのが面倒な4人なだけだが_______
ゴロロォ
低く響く音に一度外に目を向けて、また戻す。
昼とは全然違う天気は、ああ夜でよかった。そう思うしかないが
そんな事よりも
「ねぇキョーちゃん」
「なんですか?ハニー先輩」
カツカツと靴音が幾つか響く筈が、今日は雨音と雷で 、あまり聞こえない
「ハルちゃんとAちゃん、とーっても似てると思ったけど、本当はそんなことないんだねぇ」
穏やかに笑う光邦の、「ね?崇」という言葉に崇も頷く。
「随分と面白いと俺も思いますよ?あの二人は」
その笑顔はやはり『裏の魔王』と言っても過言ではない。
その笑顔にうわーと馨は顔をしかめた
「ん〜そうだねぇ〜、でねぇ キョーちゃん?」
ゆるい声は上手く響かないから、たぶん光とAその二人には内容は聞こえていない。
「キョーちゃんはなんであの時、カオちゃんとヒカちゃんを褒めてあげよう。って思ったのかなぁ〜って」
「あの時?」
馨ははて?と首を傾け、鏡夜は特に表情を変えなかった。
「Aちゃんがハルちゃんのイトコだからってだけじゃないんでしょ?」
一体何の話なんだ。馨は分からない…と少し表情を歪めた。
「…、そう、と言えなくもないですが、
それだけで大体の説明がつきますよ」
ニッコリ。やはり表情は変わらない
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ヒソク(プロフ) - 占ツクは普段あまり開かないんですがこの作品が好きすぎて定期的に見に来てます( ˘ω˘ ) (2020年8月5日 21時) (レス) id: 0e1031415e (このIDを非表示/違反報告)
れな - はやくみたい、明日もおねがいしやす (2020年4月18日 3時) (レス) id: ebfb4b5959 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - 続き楽しみにしてますー!落ちとか気になってドキドキです! (2020年4月6日 5時) (レス) id: 71414e5053 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - おもしろくて一気読みしちゃいました!続きが気になって仕方ありません!誰オチになるのでしょうか…ワクワクドキドキ!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年4月1日 21時) (レス) id: 3d109989cb (このIDを非表示/違反報告)
ネジ - いつも楽しく読ませて頂いてます!これからも頑張ってください! (2020年4月1日 5時) (レス) id: 71414e5053 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゅういち | 作成日時:2020年3月6日 15時