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「そうだよAちゃん、Aちゃんだって手もお顔も、いたいいたいでしょ?」





カチャ





数皿目のアイスクリームの皿を重ねながら、埴之塚先輩は『ね?』と私を見る







正直、私の殴る威力では大の男に勝てない。というのは分かっているから




あまり使ってないのだけれど








「ぁ〜、バレちゃいますよねぇ……」




長袖のパーカーをダラリと着ていたからバレないと思っていた。



隠す意味なんてないけど、ただ、少し…。







いつの間にか私の右手を銛之塚先輩が取り









「……、大丈夫か?」
「まあ、二回分なので重くはないですよ」





少しだけ痛いだけだ。

普段とそんなに大差ない。





そうか。



そう言って銛之塚先輩はそのままゆっくり離してくれる。








「まあ、確かに…私も謝らなきゃいけないけど……」









確かに、ハルヒ同様、私も随分良くなかった。





けどしかし、









それは、









「ただ、私の場合ハルヒみたいに『正義感』で動いた訳じゃなですよ」









小さく笑い声が漏れた。





ハルヒだって『正義感』なんて立派なことじゃなく、'それが当たり前'そう思ったから行動したんだろう。







それが正義感だろうか?


いや、ハルヒの感情はたぶん


もっと素直で


打算無く




…もっと危ういものだ。








でも、私は









「私の場合は…ハルヒと違って腹を立てたうえに_______しっかり手も出しちゃいましたし」







動機はめちゃめちゃ単純で



行動もめちゃめちゃ簡単で



思考もめちゃめちゃ短絡的









がっつり殴って蹴ってしまったのは、褒められた事ではないのは、分かっている。









まあ






「後悔はしてませんけどね?」









でもダメなものはダメである。









「迷惑かけて、すみませんでした」









庶民同士の諍いならまだしも、









彼等は『家』を背負っている。









正直それがどれだけ重いか私には分からない。









ある程度の近所付き合いと違い、日本で…いや世界にまで名の轟いている彼等の『名』








それはやっぱり私と決定的に違う物で、彼等にとって大事なモノだって分かるし、









多少の無礼講は許して貰っているのだから









こんな形で迷惑をかけるのは









「……まだ、許してほしいです」









本意ではない

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ヒソク(プロフ) - 占ツクは普段あまり開かないんですがこの作品が好きすぎて定期的に見に来てます( ˘ω˘ ) (2020年8月5日 21時) (レス) id: 0e1031415e (このIDを非表示/違反報告)
れな - はやくみたい、明日もおねがいしやす (2020年4月18日 3時) (レス) id: ebfb4b5959 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - 続き楽しみにしてますー!落ちとか気になってドキドキです! (2020年4月6日 5時) (レス) id: 71414e5053 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - おもしろくて一気読みしちゃいました!続きが気になって仕方ありません!誰オチになるのでしょうか…ワクワクドキドキ!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年4月1日 21時) (レス) id: 3d109989cb (このIDを非表示/違反報告)
ネジ - いつも楽しく読ませて頂いてます!これからも頑張ってください! (2020年4月1日 5時) (レス) id: 71414e5053 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きゅういち | 作成日時:2020年3月6日 15時

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