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ザザァン……
ザァン…
ｻﾞｧﾝ…
潮風がふわりと鼻孔をくすぐる。
水音が静かに響いて目を閉じたくなってしまう。
太陽の熱は熱いはずなのに…そんな熱よりも、今は
「綺麗ね…… 」
隣の貴方の体温の方が、妙に温かい気がして＿＿＿＿＿＿
「環くんと二人で海を見れるなんて、夢みたい…」
岩に腰掛け肩を寄せ合う男女。
キラキラと輝く二人の髪に、穏やかな表情。
それは美しいカップルかの様で
「夢じゃないさ…だけど願わくば
今夜貴女の夢に、僕が現れますように…… 」
こつん
触れ合う額に彼女は頬を赤らめ、朗らかに微笑んだ
「環くん…///」
＿＿＿＿＿＿
「…………………」
＿＿＿＿＿＿
ポーン
「わっ」
勢いよく伸ばした腕もむなしく、ボールはふわりと馨の手の上を越えていった
「もー光ー手加減してよーー」
むぅ、とむくれつつ、ボールを追いかけ始める馨。
それを焦ったように追いかけ始めるのは
「悪い!!僕が行くよ!!待ってて」
もちろん光で
さ、さ、さ
砂浜はどうにも走りづらく、思うようなスピードが出ない。
だから
＿＿＿ ＿ 待てよ馨…
＿＿＿ ＿僕じゃないよ…ボールが逃げるのさ…
アハハハ、、、
そんな楽しそうな二人。
見つめる姫たちから思わず吐息がこぼれる。
＿＿＿＿＿＿
「……………… 」
＿＿＿＿＿＿
「A君とハルヒ君は泳がないんですか？」
姫の一声にAは うん？と彼女らを見下ろす。
パーカーが潮風にふわりと揺れる
「あー、うんーそうだねー。ハルヒはね見る専だからねぇ」
「「ミルセン??」」
「見る専門。海を見てたい派ってこと〜」
少し離れた小さな岩の上で膝を抱えているハルヒ。
それをちらりと見てAはまた海に視線を映した
「じゃあ、A君は？」
当たり前の様に聞かれるその言葉に、Aはんー。と間延びした声を上げる。
ちょこんと並び、不思議そうにAを見つめる2人の姫。
海風に揺れる彼女等の髪と、紺色の髪。
前よりもよく見えるAの目元に、二人は「っ///」少し頬を赤らめて
「なに？」
彼女等が一歩下がってしまう前に、
Aが意地悪く笑い
二人の耳元に顔を寄せて
「僕に、脱いでほしい？」
「「ｯ////?!??」」
ﾎﾞｿﾘ、と、小さく呟いた
＿＿＿＿＿＿
「………………」
＿＿＿＿＿＿
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作者名：きゅういち | 作成日時：2020年1月28日 20時
