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「いや、どう考えても紺の方はAのじゃん?」
「アホなの?二個あってどっちもハルヒってアホなの???」
「腹立つなぁ」
ニハハハハハハ!!!!
双子の笑い声にAは拳を振り上げて、ぐぐぐ、と収める。
「う゛う゛、金持ち殴ったら゛、だめだからね。」
成長を感じるそのAの言葉に「おぉ〜」と光邦が拍手して、にへらと笑う。
「成長だねぇ」
「…… 」
こくこくと頷く崇に、彼女は褒めてください、と言わんばかりに崇の方に行こうとして
「僕らが厳選した水着をちゃんと見なよ」
「ワンピース型の水着じゃあハルヒとAのお粗末な体型?ハハハ、涙を誘うでしょ」
「その点、こっちのセパレート型はフリルで胸の無さをカバーして…」
「やっぱ殴ります」
「AちゃんAちゃん、どーどー」
「……、……っ、」
ぐるり、方向転換をしたAをなだめるのはやはり3年ズ
崇に敵う程の力をAが持っている筈もなく、バタバタと暴れるだけであった
それに、
ギラン!後ろで鋭く何か光ったと思えば
「なにを」
低いその声がずんと響き
「うちの娘らにセクハラしまくっとるかっ貴様らはーーーーーーーーーーっ!!!!」
キィン!!!!
とバットを振り切った環でありました
びゃん!と泣きながら続けて鏡夜に向かって騒ぐ
「おかーさん、おかーさん!!!!
光と馨が妹と弟に
いやらしい事を言いましたァ!!!」
びゃあああああ!とうるさい彼に、鏡夜は酷く冷めた声色で
「17にして4人の子持ち設定か俺は」
_______俺の青春はどうなる?
と。
そしてそれを冷めた目で見たのがもう一人
「いや鏡夜先輩の子供はやだな」
_______しかも完全に私、男設定じゃねえか。
なぜか環に「弟」だという設定を貼り付けられ、腑に落ちない彼女でしたが
興奮していた奴が自分以上に興奮した相手に遭遇すると、冷静になれるもんだな。とAは静かに思った。
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作者名:きゅういち | 作成日時:2020年1月28日 20時