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「海?」



問題用紙と参考書を見比べながら、ハルヒは一度顔を上げた。






「「イエース海☆」」



その動きに合わせて光と馨はパチリ、と手を合わせ見事なまでのシンメトリーな動きで応じる。





「本日で学期末試験も無事終了!!」



ガシャガシャとハルヒの頭を撫で回して




「後は夏休みを待つばかり!!」



参考書を閉じさせ




「てなわけでカリブがいい?フィジーがいい?」




問題用紙を取り上げ




「別荘だぞ〜〜!」




肩を叩いて






「やめてください〜〜。うちのハルヒをガシャガシャと扱うのは許しマセーン」
「「うっ」」



ぐい、と双子の袖を引きハルヒから無理やり距離を取らせるのは





「あ、A」

「はァい。Aちゃんでーす。それよりハルヒ。ここの問題どうやって解いたか教えてほ______ 」



馨が持っていたハルヒの問題用紙をスリながらAはハルヒに用紙をさしだす。



が、




「「はぁーい!だめでーす!答え合わせなんていーから!いーから!」」




夏休み前のハイテンションで、とんでもなく起き上がりと機嫌の良い双子はケラケラしながら



用紙を拐い



今度はAを巻き込んで、言う。






「選ばせてやるっつてんのー☆」
「どっちがいい?僕らは行き慣れてるからどっちでもいーよ☆」




ハハハ☆と心底楽しそうな双子に、ハルヒとAは『ええ』と息を漏らして



「「そんなお金ないよ」」



「貸すぞ?無期限有利子で」




間髪いれず教えてくれる鏡夜の言葉を全力で聞き流す2人にそのまま話は進む







「ちなみに水着はこれ☆かわいーだろ」



ばんっ!と既に用意されていた2つのマネキン。


それには普段以上に布の面積の少いソレが着せられていて





一方は薄いピンク
一方は鮮やかな紺




______うっわぁ





どちらも胸元がヒラヒラとしていて、お揃いかと思えば



ピンクの方は下が『ビキニ』と言われ一番に思い付くような、そんな形
腰元のリボンをほどけばおそらくソレが脱げる仕様



紺の方は下もヒラヒラとしている、ミニスカートのようなデザインで







どちらも可愛らしくて

思わずAは



__どっちもハルヒに似合いそ___
「どっちもハルヒに似合いそ」




言葉が口から出る。




少し飛ぶハートが、『ハルヒの水着姿』を想像しているからだというのは、回りから見て明らかだった。

90→←88.5



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作者名:きゅういち | 作成日時:2020年1月28日 20時

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