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さて、唐突ではあるが片山Aは現在高校一年である。



彼______否、彼女は小中と基本的な義務教育は___生活態度はどうあれ___通過してきた。



それなりに勉強はして、毎日校庭やら空き地を駆け回っていたせいか、運動もそれなりにできる。


どうやら顔立ちもそれなりに整っているらしく、

今まで目立ってこなかった訳ではなかった。







だが、彼女人には『青春』だとかそれに似た言葉を投げ掛けるが、自身は


その代表例に上がるモノを経験したことが無かった。





まあAにしてみれば、興味はあっても、自分ができる(・・・)かと聞かれれば、躊躇い無く首を振り、笑うだろう。



「私?えぇ、絶対やめといた方がいいよ」



そんな事、容易に想像がつくだろう?

今にしてみれば、彼女は「ハルヒが好き」だと言うし、周りもハルヒやホスト部員(みんな)に夢中だから、あまりそういった様子は見せないし



金持ちの世界も恋愛婚だけで成り立っているわけではない訳で、庶民と違い『家』で成り立つ世界に住んでいるから、


その類いの話はあれど、『それだけ』ということもない。

お金持ちのご令嬢ご子息は、ああ見えて忙しいのだ。





と、長くなったが、何が言いたかったのかと言えば、彼女。




片山Aは、恋とは無縁ではないし



憧れはあれど







彼女自身は初恋もまだに生きてきた。







だが、それでも




______きっとあれは







恋か憧れか。


そのどちらも映したように細められた瞳に


逸らされることのない視線






何を言うわけでもなく、ただ、見て




少し頬が染まった様に見えたのは、錯覚か妄想か。






でも




_____嗣郎君は彼女のこと、___。





理解が、できない訳では無かった







ただ経験が無いだけ









そんな彼女でも解れる程に



判ってしまうくらい、彼の態度は、たぶん





あからさまだった









「、」






彼が、何を求めて、ホスト部に来たのか





考えた末なのか、聞いたからなのかはわからないけれど


女の子(かのじょ)を喜ばせる為」




それだけが、きっと彼の求めた答えなんだろう








「そりゃ」


フザケてた様にも見えるんだろうな。

始めから、対象が違う。








『一人を』と『不特定数』は違うんだから。




__まぁ







一人に絞られてしまったら逃げれもしなけど






あまりに場違いな言葉は、音にはならなかった

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作者名:きゅういち | 作成日時:2020年1月28日 20時

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