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確かに…、確かに嗣郎君の様子はおかしかった。
時間がない。なんて言ってたし。
だから、
百歩譲って
様子を見に行くとか、伺いに行く。というところまでは自分だって納得する。
納得する。が、
ごきげんよう
これから、活動ですか?
俺の家で今日は乗馬をーーー
普段聞くよりも高く、まだ可愛らしい声色に小さな背。
高等部よりも短く、軽そうな短パンとスカート。
______だからといって…どうして…
それに合わせられてか(絶対に合っていない)自分は
______こういう事になるのだろう
長い髪のウィッ……、………うーんなんだっけ。ウィッ…?
…まあ何でもいいんだけど、呼び方なんて。
自分は、長い髪のカツラにセーラー服を着させられていた。
様子を見に行くだけなのだから、どうしてここまでするのか理解不能だし
『潜入捜査と言えば変装だ!!!!』
『『イエッサー』』
『変装ってっっっっふっははっははっ?!!』
環先輩と光と馨は面白がってたし、最近はAもその色に染まってきて助けてくれないし
だいたい
自分は隣のハニー先輩(初等部の格好済み)を見て
ハニー先輩と一緒に行くなら、この格好をするのはAでも良かったと思うのは、自分だけだろうか?
だいたい十分目立っているから、変装の意味もわからないし。
__
______
と、ハルヒは一人悶々と考えておりましたが、その背中を見つめる数人の影…
______かぁいい〜〜〜////お人形さんだぁ、ミニスカートだぁ/////
環、光、馨、そしてA。
彼等にとっては十分…いえ、十二分に意味はありました。
当たり前ですが、彼等は高等部の制服のまま後を着いていっているので、
高等部の人だ
ホスト部だ
高等部の先輩だ
バレバレであります。
ですが勿論、彼等にとって重要なのは『ハルヒの女子生徒の制服姿』であり、それ以外は何も考えておりません。
つまり
『Aでもよかったんじゃないか』
というハルヒの考えはまさしく、ハルヒしか考えていない考えなのでした。
実質、Aがセーラー服を着る。という選択肢すらAは考えていないのですから。
「ハルヒが可愛すぎてツライ」
若干染まったAの頬に、飛び散るハートマークを見れば
言わずとも彼女がセーラー服なんて考えてもいなかったことが一目瞭然でしょうけど。
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作者名:きゅういち | 作成日時:2020年1月28日 20時