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あまりの出来事に、光と馨は困ったように言い出します
「「鏡夜先輩さぁ…どうにかしてよあの姫」」
そんな言葉は素知らぬふりで、鏡夜は綺麗に微笑む
「さて……世話はハルヒに一任してあるしな」
「もう鳳先輩が一番楽しそうに見え」
「何かなA?」
「ぃぇ」
言いつぐむAにニコリと微笑み返し
___怖ッ
「まあそうは言うけど、ほら」
すい、全員の視線を自然にそちらに向けさせ
見せる前に、皆の耳には簡単に入ってくる
「れんげくん、れんげくん!孤独のポーズとはこんなものだろうか…?」
壁と向き合い、独特の『孤独』ポーズをくり出していく環と
「なかなかですわ環さん」
褒め称えるれんげ監督
「部長がやる気だ」
鏡夜の補足説明がなくとも分かるその現状に、全員が呆れたように顔を見合わせた。
「まあ面白いことになるよ…たぶんね?」
真っ黒の笑顔に怯みながら。
ーーー
「いや私に関しちゃ、難しくない??!」
苦笑しながら、『撮影』現場に向かう私
だってそうじゃないか?女の私が、男の格好をして、実は女の子の格好をしたい男を演じるなんて
「脳みそが混乱するけど??」
「「Aは男として生きてるからいいんじゃない?」」
「う〜ん、そ!う!だ!け!ど!!」
珍しく正論なのだからぐうの音もでない。
そうなのだが、脳みそが混乱するのは事実だろう?
まあ、言い方がムカツクので、双子には反論しておく
「ハルヒが可愛すぎて忘れてるだろうけどAちゃんだからね??うん?」
「「ハルヒしか見てないで忘れてるかも知れないけど、僕等美男子だからね?」」
「「「はっ///」」」
お互い鼻で笑ったのは言うまでもない。
「まあ、つまんない訳じゃあないからいいんだけどさ〜」
少し笑った私に光と馨は意外そうに見つめあって、
「「それは分かる」」
「んだよね」
意見が合うときがあるもんだなあ、なんて思いながら
「あ、わ____ 」
口を開こうとした瞬間、れんげ姫から声がかかった
「あ、A君。A君はハルヒ君の可愛らしい顔に憧れと嫉妬の混ざった感情を持ってる。という設定も足しておいてください」
「ア、ウン」
別に自分の顔が可愛いと思っていた訳じゃないが
「僕ってそんな女に見えない?」
「「うん」」
そうか。ならば仕方ない。
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作者名:きゅういち | 作成日時:2020年1月28日 20時